島口のことわざ集（テーキ話）

善い事　しゅんしこ　人股　くぐれ
善い事をすればする程　謙虚になりなさい。

言いじゃちゃん　言葉や　返しや　ならん
一度口に出した言葉は取り返しが付かない。言葉は慎重に使わないと人を傷つけ、軽薄のそしりを受け兼ねない。

偉い人　なるんふど　十人ぬ　股ばしから　しめ
偉い人になるほど、人々の股の下をくぐるぐらいの謙虚さを持ての意。「実るほど垂れる稲穂かな」の同義語。

医者や医者嫉妬　占者は占者嫉妬
医者は医者への嫉妬、占師は占師への嫉妬。とかく世の中は同業者へのヤキモチが起きやすい。

衣装や弱く　身体や強く
衣装は軽く着て、身体は強くあって欲しい。厚着するよりも薄着が健康には良い。

一円ま　金　ふり者ま人
一円だからと粗末にするな。知恵遅れだと馬鹿にするな。それぞれにそれぞれの値打ちがある。

熱むんや　冷ま（ら）せ
腹が立つ時はこらえよ。怒りにまかせて行動しては判断を誤る。冷静さを取り戻すまでこらえなさい。

言ちゃん口や　違るんな
自分の言ったことは、きちんと守りなさい。＝有言実行

命ぬ福　命ぬ分限
命は最高の幸福、そして最高の宝」人の命はこの世の最高の宝である。

犬とぅ猫
犬猿の間柄。仲の悪い間柄の例え。

犬に　物食まちか　手　噛まるい
飼い犬に手を噛まれる。」信頼したものに裏切られる。

犬ぬ　食ぇ　残い
犬の食べ残し。いぬは食い残しの食物を穴を掘って埋めて残す。それに例えて、同輩で最後まで生き残った高齢者をこう呼ぶ。

犬ぬ糞ぬ　高上い
身分不相応に高く構えること。成り上がり者は、威張りたがる。つまらない人間ほど偉そうにする。

犬ぬ子なや　憑きゅむんぬ　居らん
犬の子に憑く悪霊はいない」＝犬はムンヌキ（悪霊払い）になるという。生まれたばかりの赤子を初めて屋外に連れ出すときは、『インヌックワ、インヌックワ（犬の子）』と言いながらヘグロ（ナベ底のすす？）を赤子の額にこすりつけ、赤子を犬の子に擬する儀礼を行なう習俗があった。

犬や三日　養のーてぃか　三年、猫や三年飼のーてぃま　三日
犬は三日養えば三年報いるが、猫は三年飼っても三日。犬猫の恩義の度合いを言ったもの。われわれ人間ともあろうものは、他人から受けた恩はわずかなことでも忘れてはならない。