島口のことわざ集(テーキ話)

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あーてぃか あいじけぇ ねんぬ しばい
有てぃか 有い使けぇ 無んぬ しばい
有ったらあるように使い、無ければ無いように」。いたってのんきな人生観。

あーむんどぅ かまかち いーらるい
有むんどぅ 釜かち 入らるい
在るものしか釜に入れることができない。 無い物ねだりをしない。

ああとぅきぬゆむぃや どぅぬうぃ
早朝ぬ夢や 自分ぬ上
早朝に見る夢は 自分の身の上のことと関係が深い。

あく たくでぃか どぅく ぬみゅん
悪 企でぃか 毒 飲みゅん
悪いことを企んだら、それがいつか自分に回って来る。

あさちゃぬとうとや みちゅぬさきかちぬ がんなるん
朝茶ぬ尊や 三年ぬ先かちぬ 願なるん
朝一ぱいのお茶をいただくことは、三年先への願いになる。朝、先祖の霊にお茶をお供えしたり、「尊がなし」とお茶を押し頂く風習=落ち着きのない生活を戒め、深い思慮に立って着実に事に当たる生活態度を身に着けたいもの。

あさつゆ くでぃから きまいぬ いじるい
朝露 踏でぃから 元気ぬ 出るい
裸足で朝露踏んだら 元気が出る。朝露が消えないうちに、太陽が上がる前に仕事をするくらいの元気であれの意。「早起きは三文の徳」

あさねぃぬびんぼう よーねぃぬ ばか
朝寝ぬ貧乏 夜寝ぬ ばか
朝寝も夜更かしも勤勉を損ね、生活はふしだらになりかねない。「朝寝の貧乏」=朝は早起きして働きなさい。「早起きは三文の徳」

あちゃぬ しぎゅとぅや きゅう せ
明日ぬ 仕事や 今日 せ
明日予定の仕事は今日しなさい。=仕事は伸ばし延ばしにしないで早目にしなさい。

あっきゅむんや くしゅくみゅん
歩きゅ者や 糞踏みゅん
外出すればこそ 余計なことに出会う。家をいい加減にして、意味のない外出をすることは災いの元である。

あむぃまたんご しき しょうーせ
雨待たんご 事(祝席) 準備せ
事(祝席)が始まらぬうちに お酒の添え物の準備をせよ。

あんかなーや さーるいが ねんかなーや さーらん
有ん可愛や さーるいが 無ん可愛や さーらん
いくら可愛い人だからと言っても ないごちそうはできない」

あんくせや いいな ねんくせ いぇ
有ん癖や 言いな 無ん癖 言ぇ
人の有る癖は言ってはならない。無い癖なら言ってよい。他人の心の痛みが分かるようでありたい。差別用語等も。

あんしゅでぃや ふらるいが ねんしゅでぃや ふららん
有ん袖や 振らるいが 無ん袖や 振ららん
いくら思っても資力がないとできない。見栄を張るにも限度がある。ほどほどにこそ良い。

あんち おごるな ねんち くやむな
有んち 奢るな 無んち 悔むな
財産や権力があると思っておごり高ぶるな。また、無いからといって悔むことはない。栄枯盛衰はこの世の常。有んち たばかいな 無んち 泣きな:貧乏を悲しまず、前向きに生きる。

あんちゅぅぬ あいゆく =あんちゅぅどぅ ゆくしゅーい
有ん人ぬ 有い欲 =有ん人どぅ 欲しゅーい
ある人ほど欲をかく。欲もほどほどに。


いいくとぅ しゅんしこ ちゅんまた くぐれ
善い事 しゅんしこ 人股 くぐれ
善い事をすればする程 謙虚になりなさい。

いいじゃちゃん くとぅばや かいしや ならん
言いじゃちゃん 言葉や 返しや ならん
一度口に出した言葉は取り返しが付かない。言葉は慎重に使わないと人を傷つけ、軽薄のそしりを受け兼ねない。

いいちゅ なるんふど じゅうにんぬ またばしから しめ
偉い人 なるんふど 十人ぬ 股ばしから しめ
偉い人になるほど、人々の股の下をくぐるぐらいの謙虚さを持ての意。「実るほど垂れる稲穂かな」の同義語。

いしゃやいしゃうゎーない ゆたはゆたうゎーない
医者や医者嫉妬 占者は占者嫉妬
医者は医者への嫉妬、占師は占師への嫉妬。とかく世の中は同業者へのヤキモチが起きやすい。

いしょうやゆわく みーやちょーく
衣装や弱く 身体や強く
衣装は軽く着て、身体は強くあって欲しい。厚着するよりも薄着が健康には良い。

いちえんま かねぃ ふりむんまちゅ
一円ま 金 ふり者ま人
一円だからと粗末にするな。知恵遅れだと馬鹿にするな。それぞれにそれぞれの値打ちがある。

いちゃむんや さまま(ら)せ
熱むんや 冷ま(ら)せ
腹が立つ時はこらえよ。怒りにまかせて行動しては判断を誤る。冷静さを取り戻すまでこらえなさい。

いちゃんくちや ちごるんな
言ちゃん口や 違るんな
自分の言ったことは、きちんと守りなさい。=有言実行

いぬちぬふー いぬちぬぶぎん
命ぬ福 命ぬ分限
命は最高の幸福、そして最高の宝」人の命はこの世の最高の宝である。

いんとぅにゃう
犬とぅ猫
犬猿の間柄。仲の悪い間柄の例え。

いんに むんかまちか てぃ かまるい
犬に 物食まちか 手 噛まるい
飼い犬に手を噛まれる。」信頼したものに裏切られる。

いんぬ くぇ のこい
犬ぬ 食ぇ 残い
犬の食べ残し。いぬは食い残しの食物を穴を掘って埋めて残す。それに例えて、同輩で最後まで生き残った高齢者をこう呼ぶ。

いんぬくしゅぬ たーあがい
犬ぬ糞ぬ 高上い
身分不相応に高く構えること。成り上がり者は、威張りたがる。つまらない人間ほど偉そうにする。

いんぬくゎなや ちきゅむんぬ うらん
犬ぬ子なや 憑きゅむんぬ 居らん
犬の子に憑く悪霊はいない」=犬はムンヌキ(悪霊払い)になるという。生まれたばかりの赤子を初めて屋外に連れ出すときは、『インヌックワ、インヌックワ(犬の子)』と言いながらヘグロ(ナベ底のすす?)を赤子の額にこすりつけ、赤子を犬の子に擬する儀礼を行なう習俗があった。

いんやみきゃ やしのーてぃか さんねん、にゃうやさんねんちかのーてぃま みきゃ
犬や三日 養のーてぃか 三年、猫や三年飼のーてぃま 三日
犬は三日養えば三年報いるが、猫は三年飼っても三日。犬猫の恩義の度合いを言ったもの。われわれ人間ともあろうものは、他人から受けた恩はわずかなことでも忘れてはならない。


ういがほーらぁや わあほーらあ
貴方が誇らぁや 吾あ誇らあ
あなたの喜びは私の喜びだ。仲の良い気持ちが通じる相手との関わりに用いられる。

ううなみ ううかでぃま ちゅういき
大波 大風ま 一息
大波、大風も強くなるのはしばらくの間、すぐやむから辛抱せよ。人生の苦労もしばらくの間、そのうち良いこともあるものだ。

うじうばや うやぬ かたわり
うじうば(叔父・伯父、叔母・伯母)や 親ぬ 片割り
おじやおばは、親と同様に大事である。同義語に「うじうばぬ頭や死じま上どぅなるん」があり、共におじおばの存在の大きさを言っている。

うしゅ(あらむん)や じんのまわい
嘘(あらむん)や 膳の周囲
嘘事は広く通用しない。嘘は世間で通用しない。嘘はすぐばれるものである。

うたやきなぐさめ
歌や気慰め
歌には人の心を鎮める力がある。昔の人たちは悲しい時や淋しい時によく歌を歌って心を鎮めたという。

うたやものいいいぬかたわれ
歌や物言いぬ片割れ
歌は日常会話の一部だ。歌は、人と人の心をつなぐコミュニケーションの働きもした。

うちねつ はあぎゅらさ
内熱 外あ綺麗さ
家の中では文句ばかり言って扱い難い人が、外(他人)に対しては愛想のいい風をする。

うなんどぅれ
牝牛凪れ
「旧六月のべた凪の海の状況」※大島に売った牝の子牛が、母牛恋しさのあまり六月の波静かな海を独力で泳ぎ渡り、また元の徳之島へ戻ってきたので、それ以来「ウナンドレ」と呼ぶようになったのだという。

うぶぃや むぇかちどぅ うらるん
指や 前かちどぅ 折らるん
指は掌の方にしか曲げられない」。道理に反した考えや行いをしてはならない、という戒め。一般的に、いざという時には親兄弟や親せきの事を優先して考えるという意味で言われるテーキ。

うや てーににしか どぅ てーにさーるい
親 丁寧にしか 自分 丁寧さーるい
親を丁寧にしたら、自分も丁寧にされる。

うやうがで かみうがめ
親拝で 神拝め
親孝行の大切さ。現に目の前にいる親を大事にできない者が、神様を拝んでみても何の功徳もないという意味。

うやこうこうしから からうすじから むぃじぬ いじるん
親孝行しから 乾丘から 水ぬ 出るん
親孝行したら、小高い丘の上からでも水が出る」。不可能だと思えることが可能になるの意。親を大事にすれば神の加護があるということである。

うやこうこうや しいきり ねぇむん
親孝行や しい切り 無ぇむん
親孝行というものには し過ぎるということはない。

うやっくわま やーや むちむち
親子ま 家や 持ち持ち
親子であっても世帯は別々に。同居せずに互いに距離を置いた方が、なれ合いにならずいい関係が保てる。

うやぬ うんや くゎね かいせ
親ぬ 恩や 子ね 返せ
親から受けた恩は、子どもに返しなさい。」子供を厳しく躾け、自分の家の繁栄を築くことが親への恩返しになる。という意味のテーキである。

うやふこうむんや なみかぜに むませ
親不孝者や 波風に 揉せ
親不孝者は、世間からも憎まれる。世の中の厳しさを身をもって味わわせてた方がその子のためになる。

うやほうがなしぬ みちだき
先祖ぬ 道抱き
祖霊は、私たちが道を歩くとき、後方から抱きかかえるようにして守護してくださる。生きていくうえでも同様。

うやや うしぬくぃふどぅ くゎあ や ちののふどぅ
親や 牛ぬ毛程 子供や 角の程
親は子供の事を牛の毛の数ほど限りなく思うが、子供は親の事はさほど思わない。

うんぬ くぇーえてぃか あぎぬ やしるい
海ぬ 肥えてぃか 陸ぬ 痩しるい
海の漁の良い年は陸の作物の出来が悪い。


えっきりしじりや ぬきょし ゆたーん 
焼切り薪火や 焚き付け 易たーん
一度焚きつけて燃え残った木(消え口)同士は火が付きやすい。旧縁は復縁しやすいものだ。


おーぬうくぃむん やぶりねん 
「おー」ぬ受くぃむん 失敗ねん
「はい」と受けたことに失敗はない。素直な態度で接せよ。

おやふこうしゅぅむんや くゎあねぃ ふこうさーるい
親不孝しゅぅ者や 子ねぃ 不幸さーるい
親不孝すれば 自分の子どもからも不幸にされる目に合う。


がーらぬくるや ねぃんがらん くちどぅ にぃんがるん
烏ぬ黒や 憎らん 口どぅ 憎るん
カラスはその羽の黒いゆえに憎まれるのではなく、口やかましいのが憎まれるのである。


かい(かん)ぬふた かんばんうちや ちゅぅ わろいな
土(棺)ぬ蓋 覆んうちや 人 笑いな
棺桶に入って土で覆われるまでは、人を馬鹿にしてはならない」。人生における良い悪いは一概には言えない。だから、他人のことをいろいろ取り上げて悪口を言ったり、避難したりするものではないという戒め。

かいや われぢら むどぅしや なきぢら
借いや 笑顔 返しや 泣顔
他人から物(金銭)を借りる時は笑顔だが、返す時は(貸した相手が悪いかのように)泣き(いやな)顔で返す。礼儀にもとる態度は良くない。

かでぃどぅ さむれ
食でぃどぅ 武士 ⇔ 「武士は食わねど高楊枝」
武士も食べて腹を満たさなければ、仕事はできない。

かなあどぅ きゅらさ よーはどぅ まーさ
愛あどぅ 美さ 空腹どぅ 美味さ
愛しい人が市男版美しく見えるもの。空腹のときは何でもおいしく感じるもの。

かなあん とぅじゅとぅや からうすじな たたるい = とぅじゅとぅそろてぃか からうすじなま すだちゅん
愛あん 夫婦や 丘上な 立たるい = 夫婦揃てぃか 乾丘なま 育ちゅん
仲の良い夫婦は、どんな場所にも 幸せな家が建てられる」。愛し合っている夫婦は、風当たりの強い場所(どんなに生活しにくいところ)でも暮らしていける。=夫婦が協力し合えば 水のない丘の上でも生活することができる」

かなしぐゎや うしゅにむませ = 「かなーんくゎぬぃうぅやちょ」 =かなあんくゎや ちゅうねぃむませ 
可愛子や 潮に揉ませ = 「可愛子ぬぃ大灸」 =可愛あん子や 他人ねぃ揉ませ
子供を愛しているなら甘やかさないで、つらいことも経験させる方が良い。=「可愛い子には旅をさせよ」

かねぃや かみならん
金や 食ならん
お金は食べられない。お金ばっかり持っていてもどうしようもない。※終戦時などは、食料は金で解決できなかった。

かねぃやわろてぃいっちか なちいじるむん
金や笑てぃ入っちか 泣ち出じるむん
借金は笑って家の中に入ってくるが、それを支払う時は泣いて出ていく。

かむぃん なだ
亀ん 涙
大した訳もないのによく泣いて涙を出す幼児(時には大人も)に言う言葉。亀は陸にいる時は始終涙を流しているところからの形容。


ききんどぅしや やまぬぶい いかんご こーぐだい いきゅむん
飢饉年や 山上い 行かんご 川下い 行きゅむん
飢饉の年に食べ物を求める時は、山へは行かずに川を下った方がよい。山より海の方が食糧が得られやすい。

きちぬさむれ かでぃぬさむれ
着ちぬ武士 食でぃぬ武士
美衣・美食に奢ることなかれ。贅沢に対する戒め。

きばれば くゎーうばん
気張れば 硬御飯
額に汗して働けば、米の飯にありつける。がんばれ。労を惜しまず働いたら果報が来る。硬御飯=米の飯・ご馳走

きびしうとぅとや さーるしが かなしくゎとぅや さあらん
厳し夫とや さーるしが 愛し子とぅや さあらん
厳しくても夫とは共に暮らしていけるが、愛しいわが子とはうまくいかない。

きむしかば てぃしけ
肝急かば 手引け
気が急く時に人に手を出す(暴力を振るう)ような事はするなの意。「短気は損気」の同義。物事はよく考えてなし、気の急くままに事をなしてはならない。

きや くぃんにゃー ちゅーや ちゅーんにゃー
木や 木ん中 人や 人ん中
木は木の中に有ってまっすぐに伸びる。人も人の中でもまれて成長していくものである。

きゅうや ちゅうぬうぃ あちゃや どぅぬうぃ
今日や 他人ぬ上 明日や 自分ぬ上
人生の中で生じる様々な事は、今日は他人事であっても、明日は自分の事になるかも知れない。だから、人の悪口や嘲笑うような事をしてはならない。

きゅらむんぬ ちゅうくせ
美人ぬ 一癖
どんな美人でも一癖持っているものだ、心の優しさが大事である。

きゅらむんま ちゅうはな
美人ま 一花
美人も もてはやされるのは一時期だけ。

きょうでやたにんぬはじまい
兄弟や他人ぬ始まい
兄弟は他人の始まりである」。親しい間柄であっても、生活のけじめはしっかりつけた方がよい。反語的に「だからこそ日頃から心がけて、他人の始まりと言われないように仲良くせよ」ということで使われる。

きんはなとぅ ふーむぃじごーや うやぬかみ まぶららん
木ん梢とぅ 大水川や 親ぬ神 守ららん
木の梢と大水の出た時の川は、十分注意しないと親の神も守ることができない。


くぁーなし びんぼ
子産し 貧乏
子どもを次々と生むが故の貧乏。 貧乏人の子だくさん。

くぁーや うやぬ なりかわい
子や 先祖ぬ 成り変わい
子どもは先祖の生まれ変わりである。先祖の名前を子どもにつけるのには、先祖の霊力をいただくためだという。

くぁや たぼらるん しゃこ
子や 給らるん しゃこ
子どもは、恵まれるだけなるべく多く生んだ方がよい。

くがねてぃや あしばしな
黄金手や 遊ばしな
何でもできる立派な技術を持った手を、遊ばすのはもったいない、働きなさい。十分に使ってこそ貴重である。

くくるや びらは
心や 韮葉
真心からの思いやりの情というものは、たった韮(にら)の葉一枚で心温まり感激するものである。


ぐしゃくぬ からだま いっすんぬ しびゃに ぬまるい
五尺ぬ 体ま 一寸ぬ 舌に 呑まるい
人の口(舌)こそ 恐いものはない。言葉は時として魔物にもなる。ものの言い方によって、わが身を滅ぼすことがあるから気をつけなさい。


くちな にー むたすな
口な 荷 持たすな
言おうと思う事は、躊躇しないではっきり言いなさい。

くとぅばや じんかね いらん(くい くとばな じんかね いらん)
言葉や 銭金 いらん(声 言葉な 銭金 いらん)
挨拶することは銭金のかかることではないので、他人と出会う時は必ず声をかけなさい。日常のあいさつの大切。人間関係を深めていく上で言葉の持つ大事さも言っている。お互いが表情豊かに言葉を交わしあうことは、明るい社会づくりの基本にもなる。即実践を心掛けたいことである。

くろがねしびゃしぬ むでぃゆんたなま うやぬ ぎち そむくな
黒金火箸ぬ むでぃゆんたなま 親ぬ 下知 背くな
どんなことがあっても親の命令(諭すこと)には背くな(守りなさい)。

くゎーなち うやかなあ おもるい(くゎーなち うやぬくとぅおもい) 
子産ち 親愛あ 思るい(子産ち 親ぬ事思い)
自分が子供を持って初めて、親の気持ちがわかる。その立場になって物事を考えることの大事さをも言っている。親を大事にせよとの事。

くゎどぅ たから
子どぅ 宝
子供こそ 何物にも勝る宝物である。


さぁいどぅしや はてしち まて
干ばつ年や 畑耕ち 待て
「干ばつが続く時は、畑を耕して不時の降雨を待ちなさい」

さとぅうや むちゆか たんこだちぬ じょーてぃちち
姑親 持ちゆか 夫婦二人ぬ 窓一ち
姑親(夫または妻の母)持ちの金持ちよりも、貧乏でも夫婦二人暮らしの方が良い。

さんかちゅぬ きむとぅいぐさ
現世人ぬ 肝取い難さ
世の中で一番むつかしいのは、人々の心をそろえることである。十人十様の考えがあるのが世の中であるが、「何か事をなそうという時に人の気持ちはなかなかにそろえにくいもの。という前提に立つ必要があるという戒め。


しいじゃしや ねん くぇじゃしどぅ あん
しい出しや 無ん 食ぇ出しどぅ あん
稼ぐことよりも 食べ物の節約こそが大切だ。食べ物を節約して浮かした分しか蓄えはできないという。

しがたしや かまらん かいなしどぅ かまるん
姿しや 食まらん 腕しどぅ 食まるん
姿形振りだけ飾って歩いても、腕をふるって働かなければ食ってはいけない。生活をより良くしていく本質的に大事なものは、額に汗して働くことだと言っている。

しかば よーいよーい
急かば 緩い緩い
急がば回れ。あわてることはない。

しだとぅじ かんむぃてぃか なあじる かまさむん
年上妻 かんむぃてぃか 空汁 食まさむん
年上の妻を持ったら、粗末な食事はさせない。年上の妻は夫を大事にする。

しちやむぃじぐるま ちきやはしりま
節や水車 月や走馬
時節は水車のように一定の早さでぐるぐる巡っているのものであるが、一日とか一か月という時間が過ぎていくのは、馬が目の前を走り去るほどに早いものである。本来は、時の過ぎ去ることの早さと、それの伴わぬ人の営みを戒めて言っているが、苦しい時があれば楽しい時もあるという世の中の有為転変を言う場合も多い。=「節やぐりぐり浮世や水車」

しむちきしわすや きりあしなかま みっしゃうどぅるん
霜月師走や 切り足中ま 三歩うどぅるん
十一月(霜月)は十二月(師走)は、切れた草履でも三歩は歩く。正月を前にした忙しさを言ったテーキ。

しゅい(かみそり)こーいゆか といしこーれ
剃刀(かみそり)買いゆか 砥石買れ
剃刀を買うよりも砥石を買って磨きなさい。?


じゅうにんぬ ばかぐゎゆか ちゅーいぬ たましきき
十人ぬ 馬鹿児ゆか 一人ぬ 智恵利き
十人の馬鹿より、一人の知恵者の方が良い。烏合の衆より、一人の賢者。


しゅてぃちぬ うばなぬ しょりりや ながむぃぬあがり
蘇鉄ぬ 雄花ぬ しょりりや 長雨ぬ上り
蘇鉄の雄花がしおれたら、梅雨は上りである。天候に関するそのものズバリのテーキ。

しゅんさば ゆうぇせ
損さば 祝せ
損をしたからとて悔むな。それがかえって幸福を招くことになる基になる。


せーく(せーく)や ふうみちばた
細工(大工)や 大道端
大工(手仕事)は人目のつくつく所でしなさい。通る人が批判・指導してくれるから。


たびいじか やーぬ ぎゃんくぶぃ わーしんな
旅行じか 家ぬ 茅壁 忘しんな
「旅(都会)に出たら、粗末な茅壁の家での生活を思い、贅沢などせず質素倹約を心がけ、辛抱して働きなさい。

たましや ふしゅぬ しゅうな むちゅむん
智恵や 臍ぬ 下な 持ちゅむん
智恵は見せびらかさずに、臍の下にこそ持ちなさい」。謙遜・謙譲の大切さ。

たんきぬしゅんき くゎーゆくぬうーしゅん
短気ぬ損気 小欲ぬ大損
短気は事をし損じ、少欲は大損害につながるから、何事を成すにも目先の事だけに捉われた、自分勝手は許されない。


ちー うくりてぃか なんか うくりるん
一日 遅りてぃか 七日 遅りるん
一日の遅れが 七日の遅れにつながることになる。

ちがゆく はいゆくしか むぃぬちぶりるい
枡欲 計い欲しか 目ぬちぶりるい
はかりの目をごまかす者は 自分の目もつぶれる。

ちきぬかぎやくでぃま うやぬかげやくみな
月ぬ影や踏でぃま 親ぬ影や踏みな
月の影は足で踏んでも 親の影は踏みつけるな。それほどに親はありがたいものということ。

ちきょてぃか きょうで
付合てぃか 兄弟
知らぬ中でも 親しく交われば兄弟のようになる。

ちゅー うやもいどぅ どぅー うやもい
他人 敬いどぅ 自分 敬い
他人を敬うやさしい心づかいは、自分もまた尊敬される。

ちゅー ちけ いちばん むんちくい にばん
人付き合い 一番 作物 二番
忙しいから等と理由つけて、人付き合いをおろそかにしてはいけない。

ちゅー ちぶしゅむんや どぅま ちぶしゅん
他人 潰しゅ者や 自分ま 潰しゅん
人を踏み倒すものは天罰が下り、必ず自分も潰れる(自滅する)。

ちゅーぬ あんくしいいな ねんくしいぇ
他人ぬ 有ん癖言いな 無ん癖言ぇ
他人の癖は決して言ってはならない」。他人のない癖は言っても軽い冗談として片付けられるが、有る癖を言うのは相手を傷つけかねないから控えるべきだ。

ちゅーぬくとぅし わーさんくとぅやねん
他人ぬ事し 悪さん事や無ん
人のためになることをして、悪いことはない。

ちゅーぬしぎりむんと むんちくいぬしぎりむんや むんならん
人ぬ狡猾者と 作物ぬ出来過ぎや 物ならん
ずるがしこい人と、作物の出来過ぎは役に立たない。

ちゅーねぃ たんばってぃからしぃねぃな まーうしちなぎゅい
人ねぃ 頼ってぃから足な 馬牛繋ぎゅい
人に頼まれたら、よく聞いて責任を以てやってあげよ。よく考えてからしないと煩雑なことになる。

ちゅーまねぃしか まーなるい
他人真似しか 馬なるい
人のまねをすると失敗することが多い。

ちゅーや ちゅーのにゃ きや きのにゃ
人や 人の中 木や 木の中
同類は持ちつ持たれつ、相互扶助・協調の精神が必要。人は人間社会の中でしか育たないし、樹木は生育環境に適した山の中でしか育たない。

ちゅいがさきや せんがさき
一人が先や 千が先
一人の人間の付き合いの相手は千人もいる。人間の付き合いは相手が多い。

ちゅうどぅ うに
人どぅ 鬼
人こそ鬼だ 人は何でも殺して食べる。

ちゅうぬくゎ かなあしゃんゆか ふぅみちされれ
他人ぬ子 可愛しゃんゆか 大道されれ
他人の子供を可愛がるよりも皆が通う道を掃除せよ。他人の子どもをかわいがる必要はないと言っているのではなく個人的な感情よりも公に尽くす心がけが大事であるとの意。

ちゅぬきむや びらばなちんばるん =くくるは びらば
人ぬ肝や 韮葉な包ばるん =心は 韮葉
人の心はニラの葉にでも包めるような細やかなものである。細やかな気遣いや気配りは、人間関係を深めていく上で常に心する必要がある。=小さな親切は世界をも動かす。

ちゅぬさきと むんちくいぬさきやわからん
人ぬ先と 作物ぬ先やわからん
人の将来と作物の出来不出来はすぐにはわからない。子どもの時に、ある一面だけを見て将来を予言するようなことを言ってはならないという戒めで使われる。

ちゅんようしや まくらばこてぃーち
人ん養子や 枕箱一ち
人の家に養子に行くと、枕箱一つのまま帰されることがある。 枕箱=日常の小道具入れ古くは、子供がいないと他から養子をとったが、家に子供が生まれるとまた元の家に帰された。


てぃがたやのこるいが しねぃがたやのこらん
手形や残るいが 足形や残らん
手で作り出したものは後世に残るが、歩いた後に残る足跡は消えてなくなる。手先の器用は大切である。

てえや くいららむん
頂や 越いららむん
頂上は越えることができない。いつまでも絶好調は続かない。

てきとぅてぃ みかたなせ
敵取てぃ 味方なせ
敵だからと憎んではならぬ。寛大な気持ちで味方に入れるようにせよ。

てんとぅじんや つゆうりてぃ しみゅん 
天とぅ大地や 露下りてぃ 染みゅん
天と大地は夜の露によって結ばれる。夫婦の愛は、唯一無二の宇宙の原理を秘めた尊厳なものである。古く夫婦の愛は、宇宙的視野で捕らえられていた。


とぅくとぅらゆか なとぅれ
得取らゆか 名取れ
一事の損得で物事を考えず、人間としての名誉を大事にせよ」。物質中心の物の考え方に対する警鐘。

とぅじかんむぃ うとぅむち
妻かんむぃ 夫持ち
妻は頭上に押し頂くほど尊い、夫は妻にもたれているほどの存在」男性が結婚することを「とぅじ かんむぃ」、女性は結婚することを「夫持ち」という。古く女性は聖なる存在として家庭・集落で光り輝いていた。

とぅしびや はかかち いかむん
とぅし日や 墓かち 行かむん
自分のトシ日には 墓に行ってはならない」。トシ日=自分の誕生日の十二支のあたる日の事この日に墓に行くと、墓の祖先に自分の霊が招き寄せられるという。

とぅじや あてぐぃ
妻や 当て木
妻は、その家の起こるいろいろな難題にも全責任を負わされている」それくらいの気概を持て。

とぅじや しきから
妻や 係累から
妻を貰うなら、家柄やしつけ方を見てもらえ。

とぅじゅとぅぬななちちげや ななくらたてぃるい 
夫婦ぬ七違や 七蔵建てぃるい
夫婦の七つ違いは最高の組み合わせ、七つの蔵を建てるほど家庭円満で幸福である。

とぅじゅとぅばなしや いんにゃうねぃま きかしな
夫婦話や 犬猫ねぃま 聞かしな
夫婦の間の口争いは、みっともないから犬猫にも聞かせるな。「夫婦げんかは犬猫も食わぬ。」

とぅじゅとぅや もいしま はか てぃち
夫婦や 死いしま 墓 一ち
夫婦は、死んだ後も同じ所に住む。結婚という縁で結ばれた夫婦の間柄は、あの世までも続いている。島の諺に秘めれた夫婦観。

とぅじゅとそろてぃか からうすじなま すだたるん
夫婦揃てぃか 乾丘なま 育たるん
夫婦が仲良く力を合わせてさえいれば、どんな所ででも生活はできる」という意。

とぅしゆりば とぅしゆてぃぬ かなさ しわゆりば しわゆてぃぬ かなさ
年寄りば 年寄てぃぬ 愛さ 皺寄りば 皺寄てぃぬ 愛さ
夫婦の間柄は、年をとればとるほど愛しさが深まってゆくし、しわがよればよるほど深まっていく」

とぅぬうぶぃや いんけ ねん
十本ぬ指や 同等 無ん
十本の指は同じ長さではない。そのように、十人の子どももそれぞれ異なっている。=十人十色


なかららかむぃや なるいが みっちゅん かむぃやならん
半ら瓶や 鳴るいが 満っちゅん 瓶や鳴らん
半分しか入ってない瓶は鳴るが、満ちた瓶は鳴らない。能力や内容の足りないものに限って有ったり知ったかぶりをする。」=「能ある鷹は爪をかくす。

なしうやゆか ふでしうや
生し親ゆか 育し親
生みの親より 育ての親。

なちきゅん くぁーねぃどぅ ちー ぬましゅん
泣ちきゅん 子供ねぃどぅ 乳 飲ましゅん
泣いてくる子供にこそ、乳を上げられる。頼ってくればこそ助けてあげられる。頼ってきたら誰でも助けて上げよ。

なはたび しむぅらしゆか みちぶがみぬ むぎちくれ
那覇旅 しむぅらしゆか 三粒がみぬ 麦作れ
沖縄へ出稼ぎにやるよりも 家で不出来の麦でも作った方がましだ。沖縄へ行くと女遊びをして男が馬鹿になるという。

なま(はんぱ)むんしりや ううきじ(おおけが)ぬむとぅ 
生(はんぱ)物知りや 大傷(大けが)ぬ元
なまかじりで軽々しく事にあたると、取り返しのつかないことになる」。生かじりは、知らないより却って悪い。

なんぎぬあとぅや くぁっき
難儀ぬ後や 御馳走
難儀(苦労)したら、ご馳走が待っている。 =「苦あれば 楽あり」。


にぇかまや にぇなべ
似合釜や 似合鍋
「夫婦は似合った心を持っているものである」「似合いの夫婦とは、似合った心の夫婦の事。

にせ めーれや しまぬ たから
青年 乙女や 島ぬ 宝
島にとって、若者は大切な宝である。

にんげんやくくる まーうしやちきゃら
人間や心 馬牛や力
人間は心の持ち方次第、牛馬は力次第で評価される。


ぬかいちごうあてぃか ようしかち いきな
糠一合あてぃか 養子かち 行きな
糠が一合あれば養子に行かない方がよい。なかなかうまくいかないものである。養子は苦労するものだ。

ぬしどぅま ちゅーかてて
盗人ま 一担て
泥棒も一回きりしか担ぎ出して行かないが、火事は全滅する。

ぬみなれ かみなれ
飲み馴れ 食みなれ
人は馴れた食べ物の方がおいしい。高価なものでも慣れないものはおいしくない。


のろやぬきから うとぅやとぅじから 
布や横糸から 夫や妻(嫁)から
反物は横糸次第、夫は妻(嫁)次第で良くも悪くもなる。


はいや ぬまらん
針や 呑まらん
どんなに小さいからといって、侮ってはいけない」。どんなものでも、一つや二つ優れたものを持っている。

はたらきじゃしゆか くいじゃし
働き出しゆか 食出し
一生懸命働いて稼いでも、節約しなければ蓄財はできない。食べ物の節約が先である。

はたらちかまぶらい きばてぃか くぁーばん = 「はたらきゅんちゅーねぃどぅ ぬーぬかみま ぬーるい」
働ちか守護らい 気張てぃか 硬飯 = 「働きゅん(精励)人ねぃどぅ 何ぬ神ま 乗るい」
よく働く者は神の守護を得、衣食に不自由しない―「天は自ら働く人の頭上に幸福を授ける」

はなしや こーれ
話しや 買れ
他人のする話しは、買ってでも(知識として)知っておきなさい。

はらたてば てぃ しけ
腹立てば 手 引け
いかに腹を立てても 手を出すな。


ぶぎんしゃやないゆたむん ふやちきごろしむん 
分限者や成い良たむん 福や付き難しむん
「分限者(=金持ち)にはなりやすいが、幸福には恵まれ難いもの。幸福とは子宝に恵まれることだという。


ふなわたやみたさるしが ちゅんわたやみたさらん
船腹や満たさるしが 人腹や満たさらん
大きな船は満載できても、人の腹はなかなか満足させることはできない。―人間の欲望は無限だとの意

ふやわなぐぬまいからちちまわるん
福や女ぬ後から付ち回るん
その家の幸福は女=主婦の後からついて回る。女を粗末に扱うと不幸に落ちるという。

ふゆぬ あさぐむいや なぶぃかねぃとぅや けーららん
冬ぬ 朝曇いや 鍋金とぅや 代ららん
自然派の感謝。晴天は何物にも代えられないものである。

ふるぎんぬぬしどぅ みーぎんぬぬし
古着物ぬ主どぅ 新着物ぬ主
かねては、派手にしないで古い着物をつけている人が、いざという時は、新しい着物をつけることができる。


まーうしやちきゃら ちゅーやくくる
馬牛や力 人や心
どんなにきれいな牛や馬でも、力のない牛馬は使役用としては役に立たない。それと同様に、人間は豊かな心が大切情の無い者はいくら学問に秀で、財産があっても尊敬に値しない。

ましぬゆく はいぬゆく しな
枡ぬ欲 秤ぬ欲 しな
枡や秤の量をごまかすような欲はするな。後で必ず分かるものだ。

またばしこうやく
股ばし膏薬
股に張った膏薬は歩くたびにあっちついたりこっちついたりすることから、どっちつかずの者。

まつちゅうぬ うーゆ ちり
待つ人ぬ 大魚 釣り
あせらず気長に待つ物には大魚が釣れる。何事を成すにも根気強くやる者には勝てない。


みーなれ ききなれ 
見習れ 聞き習れ
念入りに、見たり聞いたりしなさい。

みーゆむぃぬ みちきはたらき
新嫁ぬ 三月働き
新しい嫁の 一事働きの戒め。。嫁いですぐは一生懸命に働くが・・・。

みしてぃてぃま せけんしてぃる(はんなぐぃる)な
身捨てぃてぃま 世間捨てぃる(捨る)な
捨て鉢になろうとも 世間・社会をはばかれ(恐れ・慎め)。

みせぬぶぎんやうらん みせぬびんぼうやうらん
三世ぬ分限や居らん 三世ぬ貧乏や居らん
親子三代の分限者(金持ち)はいない。三大の貧乏もいない。

みちゃい よろてぃか ちゅんこといいな
三人 寄合てぃか 人こと言いな
三人そろえば、他人の悪口・陰口を言うな」。三人の中にはだれか知り合いがいるものだ。

みはら あつむぃてぃか うになるい
三腹 集むぃてぃか 鬼なるい
腹違い多き家族の心は鬼の如し。異母、異父兄弟姉妹は冷淡になり争いごとが絶えない。


むぃんじごーとぅ くぃはなや まぶるん かみやうらん
濁川とぅ 木上や 護るん 神や居らん
濁流や洪水と、木の上には、神も助けようがない。

むかし うやほうぬ いちゃんくとぅや うさんだな しな 
昔 先祖ぬ 言ちゃん事や 無駄だな しな
先祖の言い残した言葉は粗末に扱うな」。先祖のいい残したことは心の支えになるという。

むん いうむんや ながりばしな ちまるい
物 言う者や 流り橋な 積まるい
余計な事をしゃべると、禍が身に及ぶ。=「口は災いのもと」

むんかみ どぅんなむんは むんし どぅんなむん
物食 遅な者は 物事 遅な者
物の食べ方の遅いものは、仕事も遅い。

むんしい きゅらあどぅ くぁなし きゅらい
物しい 綺麗どぅ 子産し 綺麗
物事をきれいにする人は、子供を産むのもきれいだ。几帳面できちんとした振る舞いをする人にしか、きちんとした子は育てられない。

むんぬ しりはてや ねん
物ぬ 知り果てや 無ん
物事には、もうすべて知り尽くすということはない。人生一生勉強だ。


もうくぃらんゆか しまつせ 
儲くぃらんゆか 始末せ
いくら儲けても、不始末(無駄遣いが多い)では何にもならない。


やーなれどぅ はーなれ
家慣れどぅ 外慣れ
家での躾が身についてはじめて外での行動にも表れる。人間としてのものの考え方や行動の仕方の基本は、先ず家で作られるので、家庭の躾に心がけよ、という戒め。

やまぬ くいやまんどぅしが ぐさんぐぃなるむんや ねーむん
山ぬ 木や数多しが 杖木なるむんや 無むん
山の木はたくさんあるが、杖になりそうな木はない」多数の中から自分の意にかなうものは中々ないものだ。

やまぬくぃぬたーや かでぃにむままい きむたかさ ゆす(ちゅー)にむままるい
山ぬ木ぬ高や 風に揉まい 肝高さ 他所(ちゅー)に揉まるい
山の高い木は大風があたる、人間も心が高慢な者は他人から風当たりが強い。

やみぬ かしや さーらん
病ぬ 加勢や さーらん病気の手伝いはできない。
人は愛しい人の病の痛みを分かち合いたいと願うが、いくら願ってもそれはできない。


ゆーや でーでー ちゅーやちぎちぎ 
世や 代々 人や次々
世の中は次々変わり、人は代々続く。人生は親から子へ、子から孫へと次々に継がれていくものである。

ゆいむんや あむぃぬぃ ちっかるしが ばかや あむぃ はりらしゅい
酔い者や 雨ぬぃ 濡っかるしが 馬鹿や 雨 晴りらしゅい
酔っぱらいは雨に濡れて歩くが、知恵遅れは雨宿りする。酔っぱらいは覚えてないからだろう。

ゆうはらむんぬ たちゃあがい
ゆうはら者ぬ 立上がい
中身のない人間ほど 頭を持ち上げて偉そうにして歩く。

ゆくぬ また はっさち
欲ぬ 股 張裂ち
二兎を追う者は一兎も得ず。欲張った鷹が二つの獲物に爪を立てたために、股を張り裂いたというたとえ。

ゆだんや ううきじぬむとぅ
油断や 大傷ぬ元
「油断大敵」

ゆる あっきゅむんや くしゅ くみゅん
夜 歩きゅ者や 糞 踏みゅん
夜間で歩く者は糞を踏んづけてしまう」夜間外出はろくなことに出会わない。いつかひどい目にあうことになる。

ゆるうぃりぬふりむん あさねぬみんぶ = ゆふけぬふりむん あさねぬのみんぶ 
夜起りぬ馬鹿 朝寝ぬ貧乏 = 夜更けぬ馬鹿 朝寝の貧乏
「怠けものは、何時かは難儀する」夜更けまで遊んで朝寝すると貧乏になる。早寝早起きを説いた言葉

ゆるぬ やんくぶぃや ちゅー
夜ぬ 家壁や 人
壁に耳あり。他人の悪口は言うな。

ゆんぢきや うしじんたなま はらみゅむん
閏月や 臼杵たなま 孕みゅむん
閏月は 臼や杵までも妊娠するとのたとえで、この月に嫁をめとると子宝に恵まれるという。

ゆんばりむんぬ うぶに むち
怠惰者ぬ 重荷 持ち
よく働く者は荷を軽くして何回も運ぶが、怠け者は早く荷物を片付けようとして重荷を以てすぐにへたばってしまう。怠け者は、見栄を張ってわざと重い荷物を持つ。コツコツと事に当たることが大事だという戒め。


よーどぅ(ふ―しゃどぅ)まあい かなあどぅ きゅらーい
空腹時どぅ(飢しゃどぅ)美味い 可愛あどぅ 綺麗
空腹の(ひもじい)時は何を食べてもおいしい。好きになれば全てが(どんな人でも)きれいに見える。


ろくがち やぎや くしゅい
六月山羊や 薬
六月に食べる山羊は薬だという。すごく効く。滋養になると好まれている。


わあんとぅきぬなんぎや こうてま せ
若あん時ぬ難儀や 買うてま せ
若い時楽をしようと思わないで、難儀な事を買ってでも(挑戦)しなさい。

わたまがいどぅ あん きむまがいや ねん =「わた しょうじき」
腹曲いどぅ 有ん 肝曲いや 無ん =「腹 正直」
空腹になると 悪事を働く者が多い。

わたや なーらわた
腹や 半分腹
「腹八分」の意。食い過ぎは健康上良くないということ。

わなぐぬ あまいとぅ ちなぎれぬ あまいやねん 
女ぬ 余いとぅ 綱切れぬ 余いや無ん
女と綱は使い道が多い。また、使いようによっては余りがない。

わなぐみちゃいあつままてぃか ちゅーかみゅん
女三人集まてぃか 人喰みゅん
女子が多く集まったら他人の悪口を言う。

わなぐや うとぅしでぇ やーやわなぐしでぇ
女や 夫次第 家や女次第
女の幸せは選んだ夫次第であり、家の繁栄や衰えはひとえに女次第である。

わなぐや まーりしまやねん うとぅどぅシマ
女や 生り島や無ん 夫どぅ島
「女には故郷というものはない。嫁いでいった夫の所が故郷なのだ。女性の自覚と心得、さらには貞節を求めた諺。

わなぐややーなれ いんがやはーなれ
女や家馴れ 男や外馴れ
女は内にいて家事万端を取り仕切ることに習熟し、男は外に出て世間の人に伍して働くことに習熟すべきもの。

わるむんとぅ あしでぃか わるぐち なろるい いいちゅとぅ あしでぃか いいくとぅしゅい
悪者とぅ 遊でぃか 悪口 習るい 善人とぅ 遊でぃか 善事しゅい=悪友とぅ 寄合てぃか 剣ぬ刃に出遭い 善友とぅ 寄合てぃか 畳表 踏みゅん
悪人と交われば悪口(悪事)を覚え、善人と交われば善いことができるようになる =「朱に交われば赤くなる」

われや くがたな
子供や 小刀
子供はよく使って、種々の仕事に慣れさせなさい。