結果

1月12日(土)曇り
真っ白い壁の検査室。
MRIの器械も白っぽい。
右手の棚に置かれた何か用具も白い。
左手は絶対動かしてはいけないと思い
顔だけ左側を見ると、青っぽいカーテンのような物が見え
時々検査技師さんの頭が見える。
誰もいない、4畳半?6畳位の空間に、ばばひとり。
顔の20センチぐらい上には器械の丸い平面が見える。

左肩の検査なので、ベッドの右側に寄って寝られたのがせめてもの救い。
真ん中に寝ていたら、もっと閉塞感があって、
耐えられない恐怖を感じたことだろう。

顔の上の方か?頭の上の方?では、絶えず
コッ、コッ、コッ、ガァ〜ッ、ガァ〜っ
ザザザザザザという、まるで工事中のような音が鳴り響く。
最初のうちは、どの音が何秒くらい鳴るのか数を数えたりもしたが
急に、島の病院でのトンネル型MRI検査時の記憶が蘇ったりして
音は永遠に続くのではと思い、何度も、何度も
連絡用の細長い玉をヒュ〜〜ッと押そうとしては、手を緩めた。
右掌が汗ばんでいるのが分かる。
左手上部は動かせないように固定されているので、どうしようもない。
そのうち、固定されている肩が痛くなってきた。
ズキン!ズクン!
痛い、痛い、痛い!
もう良い、連絡用球を押そう!。
しかし・・・押さなかった。

検査開始から何分経っているのか、時間も全く分からない。
こんな怖くて痛くて、苦しい思いをするなら
MRI検査しなくて良い。
左手が自由に動かせなくたって良い。
逃げだそう!
そして、2度とMRI検査は受けるまい。
マイナス思考ばかりして、気が狂いそうにさえ思えた時
ガチャッと音がした。

今までの音とは違う音。
まさか???

扉が開き、検査技師さんが入って来た。
そして「よく我慢しましたね、頑張りましたね」と言って
次に「少し動いたようで画像に多少ブレはありますが、一応は撮れましたよ」って。

終わった?
40分経った?
まさか?
信じられなかったが、次の瞬間、「やったぁ!やったぁ」と
飛び跳ねたいくらいの気持ちになった。
左上腕部はズキズキしたけれど。。。。

何十年ぶりかでMRIで検査でき、次は結果が気になった。
2階の診察室に戻ると、先生が説明して下さった。
先生も「よく頑張りましたね」と言ってくれた後
「関節が少し固まって癒着しているようですね」と。
「野球選手とか、肩をよく使う人たちに現れやすい症状ですよ。
ばばさんは、もう平均より20年位も肩を酷使しているはずですから
年齢的なものもあるでしょうね。
今後は少しずつ動かす練習をしていって下さい」と言われ
その後「水」の注射?するため別室に移され、
モニターを見ながら肩の後ろに注射をしてもらった。
前回よりも痛くて、3回くらい「うっ!」とうめき声を出しそうになり
慌てて飲み込んだ。

人生初のオープン型のMRI検査は、成功はしたと思うけど
でも、2度と受ける気はない。

検査の前、技師さんに「強度の閉所恐怖症なんですね。
私には閉所が恐怖だという気持ちは分かりません」と言われた。
そうだよね・・・ばばだって、元々の閉所恐怖症ではなかった。
ある恐怖体験が数回あって、それ以後、閉所恐怖症だと自覚するようになった。
ばばの知人にも、数名の閉所恐怖症の人がいる。
ばばと同じように「狭い場所が怖い」と言う人もいれば
「あの音が耐えられない」と言う人もいる。
人それぞれ、色々な「苦手」はあるだろうけど、
無理して改善しなくても、避けて通ったり、人それぞれの判断があると思う。

昨日は、無事、検査は受けられたけど、「苦手な物を克服した」という喜びより
なんだか複雑な気持ちのまま帰宅した。
なぜかは、分からないけれど。

ばばのために夜遅くまでネットで
オープン型のMRIの器械がある病院を探してくれた娘に感謝!

左上腕部の痛みでは、家族みんなに心配かけ、甘えてしまい
申し訳ないと思うけど、気持ちを切り替えて
家族に恩返しできるようにしなくちゃ。

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ばば
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