ばばが怒鳴ったおじさん

9月24日(月)曇り時々小雨
過日のブログに、ばばがじじだと思って
見知らぬおじさんに「何処行くのっ!」と叫んだ事書いたよね。

概要は、ばばが両親宅の外にある流しで
大工さん達が使った食器などを洗っていた時、
台所のガラス戸に男の人の姿が映った。
(病み上がりのじじが、そぉ〜〜っとばばに気づかれずに
写真撮りに出かけようとしている)と思い込んだばば、
男の人の姿を確かめもせず、思いっきり厳しい声で
「何処行くのっ!」と叫んだのね。
それに対し、「何処も行きませんよ〜」と聞き覚えの無い、穏やかな声。
ビックリして振り向くと、70代と思しき小柄なおじさんだった。
慌てふためいたばば。
でも、謝りはしなかった・・・・・

そのおじさんは、両親宅の周囲をグルッと見て回ったり
2階を見上げたりしていたので、ばばは
「誰?何の為に?」と思い、たまたま我が家前の
道路拡張工事に関わっている方が、昼休みを利用して
日陰を求めて、両親宅に来たのかな?と思って
「工事をされてる方ですか?」と聞いたら
「○○と言います。塗装業をしています。」と言って
我が家を見上げたりもしていた。
「不思議なおじさん・・・」と思っていたら、このおじさん
実は、両親宅のリフォームで外壁などの塗装をして下さる方だった。
ほぼ10日前ほどから、両親宅にいらして
2階の外壁などの塗装をしているのを見て、内心では
(過日は失礼なことしたな・・・)と思ったが、しれっと日々過ごしている。

このおじさん、職人気質は凄い。
朝も6時前から来てくれ、黙々と塗装をしている。
他の大工さんと一緒にお茶を飲むことも一切無い。
自分でお茶と飴玉を用意してきて、自分が欲した時に
飲食しているらしい。

数日前、おじさんと話す機会があった。
2階の外壁と、1階の外壁を塗る色は違うのだが
2階を白っぽく塗るのは、まぁ良しとしても
1階の壁を塗る色が濃すぎて気に入らないらしい。
白と黒・・・・世間の人の中には色々言う人も居るらしい。
黒と言っても、真っ黒では無いが墨色らしい。
「社長さんともう一回交渉してみる」と言っていたが、どうなったかな?

今日は、小雨模様の天気なのでおじさんは仕事が出来ないが
お昼前ふらっと顔を出した。
室内の工事の進み具合などを見ていたが、帰り際ばばとバッタリ。
おじさんの方から「菜園も台風で台無しだね」と話しかけてきたので
しばらく立ち話をした。
キオビエダシャクが大発生するイヌマキの木は嫌いだが
この木を墓地に植えておくと良いと。
島では、お墓の花瓶にイヌマキの枝を挿すのが普通なので
お墓にこの木があれば、わざわざ家から持って行く必要も無いと・・・・
でもねぇ・・・お墓でもキオビエダシャクは発生するだろうし。
また、おじさんが葉っぱは全て台風で吹き枯らされてしまったキツネ花の実を見て
「この花は何の花?」と聞くので、「キツネ花って言うんですって」と教えたら
「花かと思った」って。
ばばと話しながら、おじさんはタバコに火を点け吸いはじめた。
そのうち、何故か地面に置いた木材の上に跪くような姿勢になった。
「天気が悪いと自分の仕事は出来ない。せっかく塗装しても
途中で雨が降り、再塗装すると塗装面がザラザラになってしまう」等と
専門的な話も始めた。
ばばは、自宅に戻りたいけど、おじさんの話も終わらないので
タイミングを逸してなかなか戻る決断が出来ない。
・・と、ばばを助けるかのように雨がポツポツポツ・・・・・・
「おじさん、軒下に入って雨宿りして下さい」と言うと
「いや、大工さん達の邪魔になったら悪いから・・・」と
帰って行かれた。

おじさんの仕事は、他の大工さん達のように時間は決まっていないようだ。
朝早くから来て仕事を始めたかと思うと、昼過ぎ頃には帰ってしまうこともある。
きっと「家1軒塗装して、いくら」と契約しているんだろうね。

おじさんが帰ったのでばばも自宅に戻ったが、
今日も「おじさん先日はごめんなさい」と謝ることはしなかった。

じじが、ばばをからかう。
「あのおじさん、きっとこの家の奥さん恐いなぁと思っているはずだ」って。
いいもん!恐い奥さんで。
被害を受けるのはじじで、他人様には決して迷惑かけませんから。

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