じじの一大事じゃ〜〜〜

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11月7日(日)曇時々小雨
「大変なことをしてしまった!」
じじが顔色を変えている。
「何?何があったの?気分でも悪いの?」

午前11時前に家を出て、娘を空港へ送り
ついでに、天城運動公園で、準備して行った昼食をとり・・・
じじは、食事前にも、食事中にも干潟やグランドで鳥の撮影をしていたが・・
時には匍匐前進し、時には物陰に隠れ、ばばが呆れるほど撮影に熱中。
だから、ばばはさっさと食事を済ませ、コーヒーを飲み、じじを待っていた。
1時を大部過ぎた頃、じじはやっと食事を終え
歩きながら、干潟の鳥の撮影をするという。
しかたないので、ばばはさっさと車で移動しようと車に乗ろうとした途端!
先に干潟沿いに出ていたじじが「大変な事してしまった!」と
血相変えてばばの傍へ。
何があったの?と聞くばばに
「一脚を海へ落としてしまった」と、じじ。
なぁ〜〜んだ、吃驚させて。たいしたこと無いじゃないと、ばばは思った。
干潮で干潟にほとんど水はなく、じじの一脚は砂地の上に落ちている。
じじは、一脚を転落防止用の金網の下の方に置き、
カメラのバッテリー交換をしようとした時、一脚は海中へと転がってしまったらしい。
一脚までの距離は、約4,5メートルか?
じじったら、パニック状態になり、金網を乗り越え干潟へ下りようとする。
足場になるものはほとんど無く、下りようにも下りられない。
万が一、下りたとしても、今度は上がることができないだろう。
何度も干潟へ下りようと試みるじじ。ばばは気が気ではない。
「ロープ、ロープはないか?」とじじ。
「どうするの?ロープで?」とばば。
ロープを金網に結びつけて下りる」とじじ。
「お願いだから止めて!一脚なんて代金たかが知れてるでしょ。
じじが転落したり怪我でもしたらどうするの?止めて!!」とばばも必死。
じじが、無謀にも金網を乗り越えて、又、干潟へ下りようとするのではとハラハラしながら
ばばも必死で策を練理ながら歩きまわった。
その結果、さっき弁当を食べた近くに
細長い2メートルくらいの細い板が数本置かれているのに気付いた。
何か上手く使えそうな気がした。
車に戻りトランクを開け、積んである物を色々引っ張り出してみると
青いタフロープがあった。
板とタフロープで何とかできるのでは?と期待し、じじを呼んだ。
じじも乗り気になったらしく、細い板を2本取って来て
タフロープで結びつけて長くし、更に板の先の方にはロープで輪っかを作り
その輪っかは引っ張ると閉まるように工夫した。
じじは、ブロックに上がり、金網越しにロープを付けた板を干潟へ下ろした。
輪っかに一脚を一方を通そうと試みるが、なかなか上手くいかない。
それに、板が少し短く、じじは幅の狭いブロックの上で爪先立っていて
見ているばばは、ハラハラドキドキ。
何回か一脚の頭の方が輪っかに入りそうになりながら、入ってはくれない。
そのうち、輪っかが解けてしまって、失敗!
もう一回、装置を作り直し再チャレンジ。
じじは必死。
ばばは放心状態。
何分くらい経っただろうか?
「入った!引っ張って!」とじじの声。
ハッと我に返ったばば、必死にタフロープをたぐり、引っ張る。
一脚が、金網のこちら側へ落とされた。
やった〜〜〜〜。
じじの嬉しそうな顔!
良かった〜〜〜!
ホォ〜〜〜ッと全身の力が抜けた。
じじ愛用の一脚は再びじじの元へ戻った。
もし、干潮でなければ、ばばが細長い板を見つけなければ、
ハサミやタフロープを積んでいなければ
あの一脚はどうなったでしょうね〜〜〜。

車に戻りながら「買えば4,5000円で買えるんだけど」って呟くじじ。
じゃ〜、新しく一脚買ったつもりで、今夜は5000円パーティだぁ〜〜。

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ばば
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