暴走族おじいちゃん復活か?????・・・・・・・・・・

5月27日(水)曇り

大正7年生まれ、御年90才。

ばりばり現役のおじいちゃん,Tさん。

 

ばばは、このおじいちゃんのことを親しみを込め、

密かに「暴走族おじいちゃん」と名付けていた。

何故、「暴走族」なのか?

 

遡ること約2年前。

じじとばばの散歩コース途中にあるサトウキビ畑で

一生懸命働く小柄なおじいちゃんがいた。

とにかくよく働くおじいちゃんだった。

じじの知人のお父さんで,Tさんという名前だということも分かった。

Tさんは、とても愛想が良かった。

いつもはTさんの働く姿を遠目でしか見ることがなかったが

ある日、1日の作業を終え帰ろうとしているTさんとバッタリ会った。

気さくで、穏和なとても親しみやすいおじいちゃんだった。

 

それから何日か経ったある日、ばばたちが石ころゴロゴロの細い坂道を

上っていると、急に上の方から何かが目の前に迫ってきた。

それは、何と、自転車をぶっ飛ばしてくるTさんだった。

急なデコボコ坂道を、もの凄いスピードでぶっ飛ばしてきた。

そして、慌てて除けたばばたちにTさんはいつもの穏和な笑顔で

会釈をして通り過ぎたのだ。

Tさんとすれ違った日を境にばばはTさんのことを

「暴走族おじいちゃん」と勝手に呼んでいた。

その後も、何回か下り坂をぶっ飛ばしながら

愛嬌たっぷりに会釈をして通り過ぎるTさんとすれ違った。

その度に、(いつか事故に遭わなければいいけど・・)とばばは思った。

 

ところが、それから数週間経った頃から

Tさんの姿がバッタリ見えなくなった。

夏が終わり、秋が来てもTさんの姿を見かけることはなかった。

じじとばばは(きっと、病気で入院しているのかも)とか、

(もう90才だから、無理は利かないんだろう)等と話しながら

いつもTさんが働いていた畑のそばを通っていた。

 

そんなある日、近くの牛小屋の主から

Tさんが骨折して入院したらしいと聞いた。

(やっぱり・・・・・・)

ばばの心配が現実となっていたのである。

 

冬が終わり春になった。

ばばは1月から夕方の散歩には出かけなくなり

じじだけが出かけているのだが・・・・・・・・・・

 

4月のある日、夕方の散歩から帰ったじじが「ばば、Tさんに会ったぞ!」と報告!

「えっ、どこで?」

「Tさんの畑の上の道で・・・。ちょうど、作業を終えて帰る所だったよ。」

「やっぱり、事故とかで入院していたのかなぁ・・・」

「自転車に乗っていて転んで骨折し、長らく入院していたらしい」

「でも・・良かったね。復活できて。」

「ところが、ばば、Tさんますます進化しているよ」

「何で?」

「実は、今度は自転車ではなく電動スクーターに乗っているよ」

「エ〜〜〜ッ」

「でも、電動スクーターなら自転車のようにぶっ飛ばすこともないだろうし

自転車よりは安全だろうよ」

 

じじの話を聞いているうちに、ばばは無性にTさんに会いたくなった。

近日中に夕方の散歩に出かけてみようかな?

・・・・と思いつつ1ヶ月が過ぎた。

 

その間、散歩も再開した。

けれど、Tさんの会うことはなかった。

 

そして今日、父の昼食介助から帰ってきたじじが

「ばば〜、Tじいちゃんと会ったよ」と言う。

「どこで?」

「病院で・・4階の北病棟で・・」

おじいちゃん、今日は車椅子に乗っていたそうだ。

 

そうか〜〜入院してたのか。

 

暴走自転車から、電動スクーター(こういう言い方あるのかな?)、

そして、車椅子。。。。

 

あの人なつこいじいちゃんには、

もっともっと進化して欲しかったのに。。。。

ちょっと残念。

 

また、畑で元気に働くおじいちゃんと再会できますように。。。。。。。

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