50年経って悟った・・・
12月3日(木)曇り
いつもより少し早く家を出てスーパーへ行った。
野菜を買って、「他に買うのは無かったかな?」と
考えている時、横から「ばばちゃん」と声をかけられた。
マスクをした女の方が立っていた。
そして「先日は本当にありがとうね。
3人、時間の都合がなかなかつかなくて
急に押しかけて、大分お世話になったみたいね。
でも、帰って来て、本当に嬉しそうだったよ」と言う。
ばばは、話しかけてくれた方がどなたか分からないし
「3人」と言われても、ピンと来なかったので、適当に話を合わせていた。
めまぐるしく色々なことを考えているうちにハッと閃いた。
「3人」「急に押しかけた」・・・・
そうだ!過日、50年ぶりに中学校時代の同級生が会いに来てくれた。
そのうちの、Rちゃんとは、本当に卒業以来初めて会った。
Rちゃんが、ずっと、ばばに会いたいと言うので
Kちゃんと、Tちゃんが、ばばの家を教えながら3人で来てくれたのだった。
その時に、Rちゃんが「中学生の頃、ばばに親切にしてもらったんが嬉しくて
どうしても会いたかった」のだと話すのを聞いて、
つい涙ぐんでしまったばばだったが・・・
ばばは、友達に親切にした何て思ってもいなかったし、
Rちゃんと仲良くしていたのは、ごく普通だと思っていた。
「一緒に勉強したり、弁当を食べたり、
実家にも連れて行ってもらった」とRちゃんは話した。
そして、今日、スーパーで話しかけて来たのは
Rちゃんのお姉さんだった。
お姉さんは、ばばより2級先輩で、よく知っているし
大人になってからも、話したこともある。
名前はK姉さん。
「ばばの家に行って来た妹がとても喜んでいた。ありがとうね」と
ばばにお礼を言うのだ。
ばばこそ、Rちゃんが50年ぶりに訪ねて来てくれて嬉しくて
感動した事を話した。
すると、K姉さんは、「妹がね、バレーボールで
サーブがなかなか入らなくて、ばばちゃんに教えてもらって、
入るようになったって中学生の頃話してくれたのよ」と言う。
中学生の頃、妹がばばについて話したことを50年も覚えていたの?K姉さん。
「え〜〜〜っ、ばばがサーブを教えたって?」とばばは、半信半疑だった。
夕食の時、じじに「過日、うちに遊びに来てくれたRちゃんに
ばばがサーブ教えたんだって。信じられる?
ばばね、バレー部に入りたくて顧問の先生にアピールいっぱいしたんだけど
入れてもらえなかった。ばばの運動神経の無さを見抜いていたんだろうね。
でも、Aちゃんとか、Bちゃんはすぐに入れてもらえたから、
ばばは、家がお金持ちの子はバレー部に入れるのかなぁと思っていた」
と言うと、じじも大笑い。
自分の運動神経の悪さは棚に上げて、お金持ちの子は
バレー部に入れると信じ込んでいたばば。
今思うと、本当に何て考えが浅はかだったんだろうと、
あきれ果てて笑うしかない。
「僕が、ばばのバレー教えに行けば良かったなぁ・・・」って
じじは言ってくれたけど・・・。
想像したら、又可笑しくなって笑いが止まらない!
じじのスパルタ指導に耐えられず、1日で退部しただろうか?
ばばが退部を申し出る前に、じじに辞めさせられていただろうか?
中学時代のバレー部顧問だったM先生、
「よくぞ、ばばを入部させなくて正解」だったと、
50年経ってやっと悟ったばばでした。