「隣組」って?

8月4日(日)晴れ
近所の方が亡くなったので
夕方、あねとご近所の方ふたりとばば、4人でお通夜に行って来た。、
じじはバイクで、ばば達4人はばばが運転する車で。

斎場まではわずか2分くらいだが、夜だし
ご近所の方で足が少し弱い方がいるので
いつも車で行く事にしている。

ばば達が斎場に着くと、沢山の方々が席に座って居た。
ばば達も焼香をすませ、空いている席に座った。
ばばは、お通夜に行っても席に座って飲食する事はほとんど無い。
よっぽど親しい方の場合は、しばらく座って居る事もあるが。

今回亡くなられた方は、そんなに親しいお付き合いはないが
良く顔を合わせるし、ご主人や息子さんご夫婦とも顔見知りなので
一緒に行ったおばちゃんに誘われるままに座った。
おばちゃんは、盛り皿からばばが好きそうな食べ物を挟んでは
「美味しそうだから食べなさい」と盛んにすすめるが
家を出る前に軽くご飯を食べて出たばばは食欲が無い。
おばちゃんは、姉にも盛んに「食べなさい」「食べなさい」と言うが
姉も箸は動かない。

周囲に、顔見知り程度の方々が何名か座っては
10分ほどで帰って行く。
家を出てから30分以上経過しても、
おばちゃんは、まだ「帰ろう」と、言ってくれない。
おばちゃんを残して帰るわけにはいかないし
じじは焼香をすませ、さっさと帰ってしまったし・・・
内心、ばばも帰りたくて気は焦るがどうしようもない。
運転手が乗客を残して帰るわけにはいかないからね。
ごく親しい人もいない中、姉とばばは黙って座り続ける。
苦行・・・・
(じじが待っているだろうな。早く帰って一緒に食事したいな)

ばばと姉が手持ちぶさたにしているのを見かねてか
おばちゃんが言った。
「ばばちゃん、隣組と言ってね、亡くなった方の、近所の人たちは
座っておくんだよ〜」って。
「隣組」?
懐かしい言葉を何十年ぶりかで聞いた。
ばばが小さい頃、実家集落ではお隣さん同士、仲良く助け合って
色々なことをしていた。
でも、じじと結婚してから「隣組」活動?をした事もほとんど無い。
結婚以来、職場と家の往復だったので、
地域行事にもあまり参加しないまま今日に至っている。
ご近所さんでも名前も知らず、少し離れた方などは
スーパーや道で何回か顔を見ていて覚えているくらいで
親しく話した事もない人が大多数。
そんなばばに「お隣さんは、ずっと座っておくのよ」と教えてくれたおばちゃん。
でも・・・お通夜ってよっぽど親しくない限り
焼香をすませたら、すぐに帰るか
座ってもせいぜい30分だと思っていたばば。
「隣組は長く座っておく」と言われ、ばばが座っているレ列を見ると
なるほど、亡くなった方のお隣さんが10数名。
姉は「お隣さんでもないのに、何故あの人座って居るの?」と
思われているかも・・・・と心配していた。
ばばだって、家は近いけどそんなにお付き合いもないのに
長く座って居て良いのだろうか?と思っていた。
隣に座った人の顔も名前も知らないし、共通の話題もないし・・・・
長い長い時間に感じられた。

斎場では、時計は祭壇などで隠されていて時間が分からない。
ばばは、時計をはめていないし、携帯を出して時間を見るのも憚られ
ただ鬱々としていた。

やっと、おばちゃんが「もう帰りましょうか?」と言ってくれた。
内心ホッとして、立って斎場を後にした。
帰宅すると、じじは自分で晩酌の準備をしていた。
テレビをつけると、もう9時前だった。
家を出て、1時間半以上も斎場にいたことになる。
「隣組」だからね・・・・・・

今後、良い意味での「隣組」お付き合いが出来るようにしなくちゃね。
ばばは、まだ、この地域に融け込んではいないなぁ・・・
と思ったお通夜でした!

 

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