飛び込んでいきたかった・・・・

5月15日(土)曇り

「飛び込んでいきたかった・・・」って、何処へ?

答えは田んぼ。

実は・・・・昨日、一人で実家の除草に行った。

行く途中、ある集落で珍しい光景を目にした。

 

 

田植えをしていたのだ。

今は徳之島でも滅多に見ることの出来ない風景。

ばばの中では、とても懐かしい原風景、田植え。

 

徳之島もばばが子どもの頃は稲作が盛んだった。

家族、お隣ご近所総出で田植えをしたものだ。

お隣ご近所助け合って、順番に田植えをして行くことを「ユイワク」と言った。

今ではこの助け合い精神「結(ユイ)」という言葉もあまり使わなくなったが

お隣の天城町には「ユイの館」もあり

「結(ユイ)の里」をキャッチフレーズの一つに掲げている。

また、学校でも「田植え休み」というのがあった。

日数は10日前後くらいだったろうか?

 

今でこそお米はJAやスーパーなどで買って食べているが、

かつては、お米は自分たちで作って食べる物だった。

お米はまた、自家用以外に大きな現金収入の元でもあった。

 

ばばの家でもあちこちに田んぼがあったので、

物心つく頃からばばも「田植え要員」の一人で立派な労力だった。

初めのうちはいやいやながらやっていたが、

年を重ねるごとに田植えが楽しくなり、

姉や母と同じスピードで植えられるようになった。

朝は早くから、夕方はお日様が沈む頃まで、

ひたすら田んぼを苗で埋め尽くしたものだ。

 

田植え時期の楽しみは、お昼ご飯。

その日、田植えをする家では大きなお鍋を田んぼへ持って行き

現地で具だくさんのおみそ汁を作った。

ご飯は家から炊いて持って行き、お昼になると

ツワブキの葉にご飯を包み、その上に豚味噌などをのせ

丼に炊きたてのおつゆを入れてフウフウ言いながら

家族、親戚、隣近所のたくさんの人達と太陽の下で食べたものだ。

おいしかったなあ・・・・・・・・・・・

 

お昼ご飯の後は、昼の作業までのしばらくの間

田んぼの周りを走り回っては野いちごを摘んだり

すぐ近くの川に飛び込んで泳いだり、潜って粘土を取ったり。。。。。。

今考えると、自然と一体になった至福の時だったな。

 

ばばが米作りで一番好きだった作業が、田植え。

 

だから・・・・・・・・・

昨日、田植えをしている光景を目にした時は嬉しかった。

 

田んぼはそう広くはなく、田植えをしているのも男の人たった一人だった。

すぐにでも車を止めて写真だけでもと思ったが

どうしても早く実家へも行かなければならず

(ばばが帰る時まで田植えが続いていますように)と祈りながら車を走らせた。

 

実家での作業を2時間くらいで終え、田植えをしていた集落まで

車を飛ばした。

 

まだ田植えは続いていた。田んぼの約半分ぐらいが苗で埋められていた。

 

ばばは車を止め、田植え中の人に声をかけた。

「すみませ〜〜ん。とても珍しい光景ですので

是非写真に撮らせて下さい」と。

男の方は快く承諾して下さったので数枚パシャパシャッ。

撮り終わり、ばばは急に自分も田んぼへ飛び込んで

田植えをしたい欲求に駆られた。

でも、きっと変に思われるよね〜、見ず知らずの人に

「一緒に田植えをさせて下さい」なんて言ったら・・・・・。

 

写真撮影後、御礼を言って一路家路を急いだ。

 

家に帰って早速写真を見ると、「田植え」と分かる程度には撮れていた。

良かった〜〜。

 

徳之島で、ばばが唯一田植え・稲刈りを目にすることの出来るスポット。

さあ、稲穂が風になびくのは、後何日後だろう?

 

今後も実家の行き帰り、

また、折々にあの田んぼの写真を撮り続けようと思う。

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