あれから30年・・・ありがとう!

9月19日(木)強風&雨

デュランタ

9月19日・・・・・

この日は、ばばにとって生涯忘れることが出来ない。

30年前の9月19日、ばばの大好きだった兄が突然亡くなった。

未だに信じられない位呆気なく。

その年の4月、兄は学校勤務から図書館へ異動になったばかりだった。

年が明けた1月には一人娘の成人。

兄は何よりも楽しみにしていて、夏頃には振り袖なども準備してあって

娘に着せて「きれいだね〜似合っているよ」と喜んでいたそうだが

成人式当日の娘の晴れ姿を見ること無く、天国へ旅立った。

ばばは4人兄姉。

男兄弟は兄ひとり。

両親にとっても、ばば達姉妹にとっても、兄は「希望の星」だった。

当時、貧しい農家の長男である兄が大学進学するのは大変な時代だった。

でも、両親は「これからの時代、教育が大事」と兄を進学させた。

ばばは年が離れていたので、あまり色々な事は知らないが

兄を進学させるため、姉ふたりも身を粉にして働いて両親を助けたようだ。

家族の期待を背負って、進学した兄は高校教師になった。

たまたま、ばばが高校進学する年に、兄が大島郡内の喜界高校に赴任したので

ばばは第一志望校を諦め、兄と一緒に生活しながら高校へ通うrため喜界島へ渡った。

後で知ったことだが、兄は自分が大学まで行けて、教員になれたのは

両親と姉妹のおかげだ、その恩返しに末っ子であるばばの学費は自分が出すと言ってくれたらしい。

3年間、喜界島で兄と一緒の生活。

ばばは、家事をしながら学校へ通った。

中学校卒業してすぐのばばが、どんな料理が出来ただろう?

当時、毎日、兄と2人分の弁当を作っていたが・・・・きっとお粗末な弁当だっただろうな。。。。

兄の同僚達は、下宿をしたり、結婚して奥さんがいる方達だったが

兄だけ妹と2人暮らし。

後に、まともに料理も出来ず、兄に申し訳なかったなぁ・・・と思う事だったが

この3年間のおかげで、ばばは炊事、洗濯、家事の切り盛り等々、

沢山のことを学べたなぁと、兄には感謝しかない。

直接、兄から現代国語や古典の授業も受けた。

当時、町営住宅に住んでいたが、兄は時間さえあれば勉強をしていた。

よる、ばばが布団に入って、いつ目を覚ましても、ふすまの隙間から灯りが漏れていて

「兄さんは、まだ寝ていないんだなぁ・・・いつ寝ているんだろう?」と思うほどだった。

ばばは、もともと国語だけは大好きだったが、

それでも「悪い成績取ったら、兄さんに恥をかかせるなぁ」とか

反対に良い点数ばかり取ったら、友達から「前もって兄さんが問題教えているんじゃ無い?」

と思われないかなぁ・・などと、気は遣っていた。

島外からの入学者は、ばばひとりだけだったし、彼方此方遊ぶ場所も無かったし

学校と家の往復の3年間だった。

高校を卒業し、大学へすすみ「中学校の国語教師になりたい」と思っていたばば。

しかし、兄はばばの第一志望校を聞いて「ちょっと無理じゃ無いかなぁ?」と言った。

その後、ばばは全国の大学で学費が安くて、国語の免許がとれる大学を探した。

4年制へ進めば、両親への負担が大きくなる。

大学まで兄のお世話になってはいけない・・・・・・と探しに探して

やっと、ばばの希望が叶うような、短大を探し、受験した。

その後は両親にもあまり負担をかけないように出来る方法を

学校の事務の先生方にも教えていただき、卒業、そして、ほぼ希望通りの道へ進むことが出来た。

あの時、あの選択をしたからこそ、じじと結婚し、島で生活し、

自分の両親や、じじの両親の近くで生活できた。

最初、「喜界島で兄さんと一緒に生活しながら、勉強して」と両親に言われた時は

ショックだったし、内心イヤだった。

でも、あの時、親の言うことを聞かずに別の選択をしていたら

ばばの現在の生活委は無かっただろうし、兄姉に対する感謝の気持ちも

今ほどでは無かったかも知れない。

結果良ければ全て良し!とつくづく思う。

兄とは年が10才近く離れているので、小さい頃もあまり遊んだ記憶とかは無い。

でも、3年間一緒に生活したおかげで、ばばの中で、兄に対する「尊敬の念」が生まれた。

夕べから、何故か亡き兄のことが次々と思い出された。

そして、鹿児島にいる義姉にメールをしているうちに、涙が溢れて止まらなくなった。

仏壇に行き、お水やお酒を供え、お線香を立てて静かに手を合わせていたら

しぜんと心が穏やかになった。

そして、穏やかな兄の顔が見えるような気がした。

沢山沢山のことを教えて貰い、お世話になった兄に

直接恩返しは出来ないままになってしまったが、

その分も残された義姉や姪と仲良くし、支え合って行きたいという気持ちを強くしたばばでした。

※画像は今までで一番沢山開花している庭のデュランタです。

 ゴーヤのツルから逃れるように、上へ上へと伸びつつあります。

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