残酷だったけど・・・

12月29日(土)曇り時々小雨
今日もドンヨリ〜小雨がぱらついている徳之島。
年内、晴れる日は無いのかなぁ・・・
庭仕事少しはしたいのに、全然出来ていない。

ここ1ヶ月ほど、ばばは数回ピザを食べている。
じじにも「食べる?」と声をかけるけど、100%断られる。
数日前、姉がベーコンとコーンの入った袋入りピザを買って来てくれた。


昼の用事を済ませてきてから「ピザ食べたいな」と思い、じじに声かけたら
案の定、今日も断られたので、ひとりコーヒーとピザでティータイム。
トースターで焼いたピザを見て、「もしかして???」とちょっと不安になった。
ベーコンに脂身付いてない?
今日はメガネをかけていたので、細かい部分までよく見えた。
細長く切ったベーコンだけど、ちょっと白っぽく見える部分もあるような・・・
イヤだヤダ〜〜もし、脂身だったら、どんなに小さくても食べたくない!
チーズも良い加減にトロ〜〜リとろけて美味しそう・・・
メガネを外して、ピザを三角に小さく切っておそるおそる口へ・・
んっ?食べられそう・・・
モグモグモグ・・・完食した。
ばばが食べた、ベーコンの小さな小さな白い部分、脂身だったのかな?
普通、ベーコンでもカリッカリに焼いてしまえば食べられるけど
今日の場合、カリッカリに焼けた状態では無かった。
食べられた!
もしかしたら?赤身に付いた米粒位の脂身なら食べられるんじゃ無い?とも思うけど
半世紀以上「脂身は絶対ダメ!」と思っていたけど・・・
でも・・進んではやはり食べたくないなぁ。
刺身ダメ!脂身ダメ!牛肉ダメ!タコダメ!イカダメ!と、特に肉類が食べられないばば。
ばばの年代になると、健康上からも肉類を食べなくちゃいけないと聞くけれど・・・

さてさて、お正月まで残すところ2日。
ばばが子供の頃は、正月前になると各家庭色々な準備で大人は大変だったなぁ・・・
浜から牛車で白砂を運んできて庭にまいたり、山から門松の材料になる木々を切ってきて
門松を作って立てたり・・・
各家庭で餅つきをして、鏡餅を作って、吸い物用の丸餅を作って
大きな伸し餅も作って・・・伸し餅は正月が明けてからカンナで突いて
揚げ餅用にしたり、又小さなサイコロ状に切ってあられ用にしたり・・・

ばばが一番怖かったのは・・・各家庭で豚を潰していた事。
どの家庭でもお正月用の豚を飼っていて、その豚を潰し、肉を塩漬けなどにして
1年中食べていた。
豚を潰す場面は、残酷だった。
立てかけた梯子に、豚を逆さまに固定し、喉を一突きして・・・
喉から流れでる血を鍋などで受け、それでお汁を炊いて「血汁(チージル)」と言って食べていた。
又、血を使ってお餅も作っていた。
今ならとても食べる勇気は無いが、
子供の頃は家族や豚潰しを手伝ってくれた親戚の兄さん達と一緒に食べていた。

そうそう、潰した豚は海岸迄運んで行って、毛はきれいに取って
あとは部位毎に細かく解体して、家に運んできていた。

大晦日は豚肉を使ったお汁や豚骨の煮物等々、豚肉づくし。
母は、レバーも自家製の煮物にし、ホルモン等も美味しく調理していた。
残った肉などは塩をタップリ揉み込んで、大きな瓿に詰めて保存し、何ヶ月も食べていた。

今考えるとおぞましい気もするけれど、当時は、どの家庭でもお正月前の行事だった。

子供達も、お正月の楽しみがあった。
お年玉も、親戚のおじさんから「50円」とか「100円」いただいていたけれど
それより嬉しかったのは、新しい下駄と手鞠を買ってもらえた事。
大きな手鞠を買って貰った時は嬉しくて、嬉しくて。
新しい下駄を履いて、薄く白砂の撒かれた庭で鞠つきをする。。。楽しかったなぁ〜
男の子は、凧を買って貰っていたかなぁ??
ばばの実家裏は、凧揚げの名所?
大人の男の人たちは、畳1枚分ほどもある手作りの凧を飛ばす(と言っていた)。
凧の下の方には荒縄?で尻尾が付けられ、凧が高く上がると
凧本体と紐が風を切ってヒュ〜〜ンヒュ〜〜ンというような唸り声?を立てながら
左右に揺れつつ高く遠くへ飛んでいく。
どの凧も、ほぼ、ばばの家の真上を飛んでいく。
たまには家の前の方にあるキビ畑に落ちる凧もあったけど・・・
勇壮で見ていても楽しかった。

しかし、半世紀以上経って、今は各家庭で豚を潰す事も出来ないし
出荷用以外、豚を飼っている家庭も無いと思う。
子供達も、凧揚げや鞠つきで遊ぶ子もいないだろうな・・・
門松だって鏡餅だって、お店で売られているのを買う家庭が多い・・・と思う。

ある、ばばの友人の話・・・
10年ほど前、その友人の家では、都会から門松を売りに来ていた人から門松を買ったそうだ。
何と!1セット1万円だったそう。
門松って、ほんの数日飾るのに1万円。
次の時も、売りに来たそうだが、きっぱり断ったそうだ。

昨日、ある友人の家に行くと、庭には白砂が撒かれ、門口に門松の材料が。
園芸用の鉢に、松・竹・ゆずりは・シイの木の枝?等が・・・・


あぁ〜ばばの家でも、門の両脇に門松を立てて、根っこの方には白砂を積んで
更に3本の短い薪で支えるようにしていたなぁ・・・
器用な父が立てる門松を美しいと思って、毎年見ていた。

時代が変わると、昔ながらの行事も色々変わっていく。

ばばが持っている1冊の本には、正月前の行事や、正月の食べ物のことなどが書かれている。
数十年ぶりに、もう一回、本を開いてみようかな?

 

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