「ユカサ」から・・・

12月22日(金)穏やかな晴れ
朝から闘い日差しが降り注ぐ徳之島。
春先のような陽気。
こんな最高の天気なのに、ばばは7時過ぎに起き出した。
バタバタと朝食を済ませたら、やりたいことが沢山!
先ずは、お墓周辺や、第2車庫周辺に除草剤を撒きに行き
帰って来たら、裏の空き地に少し雑草が生えてきていたので
そこにも除草剤散布。
帰って、近くにある空き家の庭にも雑草が伸びてきたので除草剤を撒き
後始末をして、家に入った。

まだまだやる事は山積み。
家中掃除機をかけ、雑巾がけをし、トイレと洗面所を掃除して・・・
時計を見たら、もう正午・・・
撮影に行っていたじじも戻って来た。
「ごめん〜もうちょっと待っていて〜」と言いつつ
昆布の煮物を作り、野菜の炊き合わせを温め、豚肉を野菜と炒めて
お汁を温めて、お昼ご飯。

食事の途中、野良の子猫が又我が家の庭を通った。
「あの猫、良くポストの前のブロックの穴から床下に潜るのよ」と
ばばが言うと、「ユカサ・・・・」と言って、その後
「あっ!今ピンと来た。方言のユカサとは床の下という意味だよな」って。
「ユカ」=「床」で、「サ」は方言で「下」と言うことだから
床の下で「ユカサ」。
「へぇ〜島の人って偉いね。標準語の意味とぴったりの島言葉・・・
誰が作ったんだろう?方言」と素朴な疑問。
「それは分からん」と、じじ。
そうだよねぇ〜昔々。。。何百年、いやいやそれ以上前から
島の人達は「島口」=「方言」で話していたんだよね。

ばばが標準語を話すようになったのは、小学校からかな?
もちろん、幼稚園でも小学校でも先生方は「標準語」を話していたとは思う。
教科書とかは標準語で書かれているけど
友達との会話とか、家で親子兄弟姉妹の会話は方言。
教科書を読むこともできたし、書いてある内容も理解できたし、
方言も話せた。

小学校の何年生の時だったろう?
ある日、先生が「親のことを、今日からはお父さん、
お母さんと呼びましょう」と言った。
それまでは、ほぼ全員が「アジャ=お父さん」「アマ=お母さん」の意味だが
「アジャ」「アマ」と両親のことは呼んでいた。
当時の先生の力が凄かった!のか?
ばばが素直だったのかは未だに分からないが、
先生から言われたその日の夜から「お父さん」「お母さん」と
両親を呼ぶようになった。
とても照れくさかった思い出がある。
朝まで「アジャ」「アマ」と呼んでいた子どもから
急に「お父さん」「お母さん」と呼ばれ、両親だって戸惑っただろうね。

小学校低学年だった、ばばはすぐに「お父さん」「お母さん」という
呼び方に慣れたけど、年の離れていた兄や姉が呼ぶのは聞いたことが無い。

家では、ずっと島口(方言)で会話していた我が家。

ばばは結婚してからも実家では方言で話したり、標準語で話したり・・・
両親は、我が家の孫達とは、必ず標準語で話していた。

毎週土曜日の昼からは、家族で実家へ行っていた。
母手作りの夕食を頂き、我が家の娘達も
じいちゃんやばあちゃんに抱っこしてもらったり
昔話を聞かせてもらったり・・・
父は全くお酒は飲めなかったが、晩酌をするじじの話し相手をしてくれた。
1週間一度の週末のささやかな晩餐は終わり、大体夜8時頃実家を後にした。
帰る時、両親は必ず孫達に、ひとり「100円ずつ」お小遣いをくれた。
孫達は両手を重ねて前に出し、その100円硬貨を恭しく頂き
「ありがとうございます」と頭を下げた。

そして、ばば家族が車に乗り込むと両親は窓越しに
孫達ひとりひとりと握手をした。
ばばも、わざとゆっくり車を発進させた。
車が動き出すと同時に、娘達は、じいちゃん、ばあちゃんに向かって手を振りながら
「オボラダレ〜ン。又ケーユシヤ。体キィチキンショリヨ」と声をそろえて挨拶した。 
「ありがとうございました〜。又来ますからね〜体に気をつけて下さいね」と。

我が家の娘達は赤ちゃんの頃から、ずっと週末土曜日は
ばばの実家に行っていた。
じじとばばが、じじ両親に娘達を預け、加計呂麻で仕事をしていた時も、
じじ両親は「自分たちだけの孫では無いから。。。ばばちゃんの両親だって
同じように孫は可愛いから・・」とばばの実家へ通ってくれていた。
だから、娘達も部活とか受験で時間が取れなくなるまでは
ずっと、ばばの実家へ通っていた。
じじ両親のお陰様様。
娘達は、どちらのじいちゃん、ばあちゃんとも
たくさん、たくさんの楽しい思い出ができ、今でも時々家族が集うと
じいちゃん、ばあちゃんとの思い出話が話題に出る。

あれっ?
今日は朝から「頑張ったばば」の事を書くつもりが
「ユカサ」という言葉から、何十年も前の思い出話になっちゃった。
お墓周辺に除草剤を撒いたりするついでにお墓参りもしてきたから
亡き両親のこと思い出したのかな?


 

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