インベー?
4月1日(金)晴れ
昼食の準備をしている時、携帯が鳴った。
出ると、都会で暮らす孫から。
(どうした?)と思っていると「ばば〜、宿題で方言を調べる事になったから
徳之島の方言を少し教えて欲しいんだけど」と。
コンロの火を止め、話を聞いてみると「疲れた」を方言で何というのかなぁ?と。
「疲れた事を、方言ではトオリティ」って言うよ・・と答えた。
しかし、待てよ・・と思い、2階にいた、じじにも聞いてみると
「ダリィティ」と言うよと。
そっか〜、ばばが育った地域では「トオリティ」だけど
じじが育った地域では「ダリィティ」って言うんだった。
島には「ダレヤメ」という言葉があるけれど「ダレタ体を癒やすために
お酒など飲む事」を「ダレヤメ」って言うから
「ダリィティ」という言葉を使う地域が多いのかもしれないと思い
「トオリティ」と「ダリィティ」の二つの言葉を教えた。
次に「塩辛い」を何と言うの?と聞かれたので
「シューカラハ」って、ばばは言うけど、じじに携帯を渡すと
じじは「マシュカラハ」と言うんだと教えていた。
じじと、ばばの使う言葉も違ってるね〜。
「シュー」は「潮」、「マシュ」は「塩」という意味があるからね。
さてさて、問題は「目に出来るモノモライ」だ。
小さい頃は、よく使っていた言葉だが、喉元まで出かかっているのに出てこない。
考えに考えて「メバチコーじゃない?」と言うと「いや、それは標準語だよ」とじじ。
ネットで調べると、確かに「めばちこは、ものもらいのこと」と出ていた。
ばばは、てっきり方言かと思っていたよ。
じじと孫に話させつつ、ばばは姉にSOS。
と、その時、固定電話に着信が。
ばばの友人、Mちゃんだ。
「あと5分くらいしたら、少しだけ寄って良い?」という電話だったが
「Mちゃん、方言に詳しいんじゃない?
目に出来るモノモライって方言でなんて言うか分からないかしら?」と言うと
しばし考えていたようだが、「インベーじゃない?」と教えてくれた。
姉から電話を貰った姉も、隣近所の先輩に聞いてくれたようで連絡があった。
90歳近いおばあちゃんは「分からないな・・」と言い
70歳代の方は「インベー」と教えてくれたって。
(そうか・・)と思って納得しかけたが、どうしても違和感を感じ
固い頭を右に左に傾け、更にグルグル回していたら、ふと閃いた!
「インムゥイー」ではなかったかと?
階段を駆け上がって、じじに「ねぇ、インムゥイーじゃなかった?」
と言うと「あっ、そうだった、そうだった」って。
昼食後、娘の携帯にメールを送った。
あぁ〜、それにしても、色々な方言の言葉、年々忘れていくなぁ・・・
こんな時、兄がいたらなぁ・・・すぐに教えてくれたはずだけど。
兄は卒論で徳之島の集落毎の方言を調べていたし、
奄美群島の方言を調べるのもライフワークにしていた。
年々廃れゆく島の方言。
ばば達より少し下の年代の方々は、自在に方言を使える人達は少ないと思う。
今の小・中学生で島の方言を使える子がいるのかなぁ・・・・
今日、電話してきた孫。
「疲れた」「塩辛い」「目に出来るモノモライ」を方言で何と言うか
夏休み遊びに来るまで憶えているかな???
きっと忘れてしまうよね・・・・
ばばの方が、孫に聞くの忘れてしまう確率高いかな?
島の方言は、表記できない発音が多々あり、
上記の方言も100%正確には表記できていません。