1個の卵・・・・

1月21日(水)曇後小雨
卵1個の家族愛・・・・・

じじは、毎朝半熟卵を1個食べる。
最近は拘って「ヨード卵光」とかいう卵があればそれを買う。
無い時はちょっと値段の高い赤卵を買う。

卵って、じじやばばが子どもの頃は高級品だった。
滅多なことで卵は食べられなかった。
ばばの家では、卵はお店で買うのでは無く
家で飼っている鶏が産んだ卵を食べていた。
当時、お店で卵を売っていたのだろうか?
ばばの実家集落のお店では売っていなかったと思う。
ほとんどの家では小さな鶏小屋で鶏を飼い、
又は放し飼いにして、自家製卵を使っていたと思う。
ばばの家で、鶏の世話係はばばで、
鶏の食べそうな菜っ葉(雑草)を
近くの畑脇や道路脇から取って来て食べさせていた。
毎日のように産卵するうちに、
ある日、卵の殻が薄い皮膜のようになっていった。
父か母が「カルシウム不足だから海に行って
貝殻を拾ってきて、細かく割って鶏に食べさせなさい」と、ばばに言った。
言われた通り、小さな篭を背負って海岸に行き
アサリかシジミのような貝殻をカゴいっぱい拾って来た。
そして、石で細かく砕いて鶏に食べさせた。
すると、何日か後には又、殻の固い卵を産むようになった。
カルシウム不足と、その対策をばばに教えてくれた両親って偉いなぁ・・・
とその時思った。
そうそう、ばばはね、鶏が卵を産みそうになると
鶏小屋の前にしゃがみ込んで、産卵を観察していたよ。
卵が産み落とされた途端、長い棒などを使って
手前に卵を転がし移動させて産みたての卵を
両手で包み込んでいたっけ・・・・
産みたての卵は、ほんの少し湿り気を感じる時もあったけど
何とも言えない温かさだったよ。

当時は、1個の卵を家族で分け合って食べていた。
ばばの家は、当時従兄弟3人も同居していて
10人の大家族だったので1,2個の卵を溶いて、
味噌汁に入れて食べてよ。
お汁じゃわんの何処かに小さなフワッとした卵の塊が浮いているか
必死で探していたなぁ・・・・・

じじの家では、ある日、大黒柱の父が病気になった。
食事の時、母は1個の卵を半熟にして父の前に置いた。
父は卵の殻を割って、中身を器に入れかき混ぜて
その後、割った殻2個に、かき混ぜた卵を少しずつ入れて
じじと妹にあげてから自分は食べていたそうだ。
1個の卵を父子3人で分け合って食べていたんだね・・・・・
じじの家でも、卵は病気にでもならない限り食べられない贅沢品だったって。
とても厳しかったという、じじのお父さん。
本当は子煩悩で優しいお父さんだったんだね。
この、1個の卵の逸話は、結婚してから何回もじじから聞くけど
聞く度に「親の愛」を感じずにはいられない。

今や、卵は毎週末、スーパーの売り出しで
消費税込み「10個・150円」以内くらいで買える。
消費税が安かった頃は10個98円とかで買えていたのに。
でも、今の卵は大量生産で、昔のような有精卵で
栄養満点卵では無いかも知れない・・・・と思ったりもする。
また、各家庭で鶏を飼うこともなくなった。
時代の流れを感じる・・・・

 


 

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