「この人誰?」「わん」って・・・・
1月13日(火)曇時々晴れ
昨日、昼過ぎ電話が鳴ったので出ると
母がお世話になっている介護施設から。
一瞬、悪い予感がしてドキッとした。
又、母の体調が悪くなって、病院へ行く?・・・・と。
電話の内容は、「巷でインフルエンザが流行っているので
14日以後は、面会謝絶にさせていただきますので・・・・」
ホッと、全身の力が抜けた。
ついでに母の様子を尋ねると
「今日は、元気で起きモードですよ」と・・・・・良かった!
今日までしか、面会が出来ないので午前中に
じじとふたりで、母に会ってきた 。
(食堂にいるかなぁ)と思って、じじが覗いたら
母の姿は見えず(まだ部屋にいるということは・・・・・
今日は眠りモードかな?)と思いつつ、母の部屋へ。
母は横になっていたが目は覚めていたので
「母ちゃん〜」とじじが呼び「お母さん〜」とばばが呼んだ。
最初、なかなか反応が無かったが、助聴器を耳に当ててあげると
「はい!」と返事をしてくれた。
その後、じじが「僕、誰?」と聞くと「わん・・・」と母。
じじがばばを指さして「この人誰?」と聞くと、又「わん」と・・・・
「わん」と言っても犬とかいう意味では無いよ。
島の方言で、自分のことを「わん」とか「わぁ〜」とか言うの。
えっ?じじ=母。
ばば=母?????
最初は、じじもばばも意味が分からなくて笑ったら
母も一緒になって嬉しそうに笑った。
去年末頃から、言葉が出にくくなっている母。
きっと、「僕、誰?」の答の「わん」は
「わんが くゎ ○○(私の子、じじの名前)」と言っていて
じじがばばを指さして「この人誰?」と聞いた質問に対する「わん」は、
「わんが ゆむぃ(うちの嫁)」と言いたかったのだと思う。
数年前から、奄美市に住むじじ妹夫婦が帰省したおり
母を訪ねて、じじ妹が「私、誰?」と聞くと
母は黙ってニコニコ笑っていたという。
たまに「可愛い私の娘よ・・・」と方言で言ってくれたらしいけど
名前はなかなか出なかったという。
それでも、何回かに1回は名前を言ってくれたと義妹は喜んでいたけれど
母の記憶力が落ち始めていた時期で、
数ヶ月に1回しか帰省出来ない娘の名前がスムーズに出てこなかったのだろうね。
去年初め頃までは、ばばと、ばば姉の名前をよく呼んでいたそうだが
秋頃からは、じじの名前を夜なども呼ぶようになったと
施設の方が話して下さったことがあった。
母の中から、色々な記憶が消えていっている・・・・・
母の記憶の最後に残るのは何なんだろう?
満91才になった母。
色々な事が出来なくなっていく。
色々な事を忘れていく。
でも、良いよ、お母さん。
ばば達が会いに行った時、お母さんがニコニコッと
無邪気な笑顔を見せてくれるだけで。
お母さんが「そこに存在する」というだけで、ばば達は幸せだよ。
じじやばばが、「お母さん」と呼べるのは、もう、お母さんだけ。
ばばの両親よりも、自分の旦那さんよりも
長生きしてくれているお母さん、ありがとう!
もっともっと長生きして、白寿のお祝いしようね!