ごめんね・・・

4月29日(火)晴れ
10時過ぎ、じじと一緒に母と面会してきた。
母が入所当時からお世話になっていたAさんが
今月いっぱいで隣町の系列施設へ異動されると聞いて
一言お礼が言いたくて出かけたのだが
間が悪く、Aさんは夜勤明けで帰宅されたとのこと。
残念だった。

そろそろ午前中のお茶の時間だったので
すぐ食堂に向かうことにした。
スリッパに履き替えて、施設内に入ると
既にお茶をいただいて部屋へ帰る途中らしき
おばあちゃんと会った。
このおばあちゃんは、以前、じじとばばが訪れた時も
じじとばばに「可愛いね、可愛いね」と言い
ばばを抱きしめてくれたおばあちゃんだったが
今日も早速ばばの手を取って「冷たいねぇ、冷たいねぇ」って。
おばあちゃんの手は、温かかったから
外から入ったばばの手は、特別冷たく感じたのかな。
「おばあちゃん、又ね」と食堂へ入ると
母は、何名かの方と一緒にテーブルに向かっていた。
顔色も良く、顔のむくみも無くホッとした。
じじが母と話している間に、ばばは母の隣のテーブルに座って居た
Tさんというおばあちゃんのイスの横に腰を下ろして話していた。
ばばが体の向きを変えてじじと話している時
Tおばちゃんは、ばばの手をしっかり握って自分の頬に当てていた。
Tおばちゃんの手も、やはり温かかった。
おばちゃんの行為に、ばばは胸がジィ〜ンとなった。
このおばちゃんは、徳之島の方では無い。
じじが初任でお世話になった職場の校区内にある集落の出身だが
色々な事情で徳之島の介護施設で暮らしている。
ばばがひとりで母と面会に行くと、必ず親指を立てて
「旦那(じじ)は?」と聞く。
じじが、自分の生まれ故郷近くで生活していたということで
じじに対してとても親近感を持って下さっているようだ。

Tおばちゃんの真向かいの席にはIおばちゃんが座っている。
Iおばちゃんは、ばばが行くと必ず「あなたのお母さんは偉いよ〜
自分とこの嫁(ばば)は神様だと言っているよ」と話しかける。

この施設には30名近くの入所者さんがおられるが
じじやばばが行くと、ほとんどの方がニコニコ会釈をして下さり
じいっと、じじやばばを見ている。
だから、ばばもなるべくたくさんの方に一言でも話しかけるようにしている。
今は高齢や病気の後遺症などで、心なくも施設のお世話になっている入所者さんたち。

妻として夫として、父として母として一生懸命頑張ってきた
それぞれの生活の歴史を背負って入所生活を送っておられると思う。
社会の一線で活躍されていた方々も数名おられる。
入所者さん達の現役で活躍されていた頃の生活に思いを馳せると
何だか胸が痛む。
自分の将来の姿を重ねて見てしまうこともある。

この施設は職員さん達が入所者さん達にとても優しく接して下さる。
いつもありがたく感謝している。
でも、家族と離れ施設で生活をしている方々の胸中を思うと・・・・
ばばも、母を施設にお願いする時は自己嫌悪に陥ったり
思い悩んだりの日が続いた。
でも、「素人のばばが介護するよりも
専門の介護士さん達にお任せする方が
母にとっても幸せだと思うよ」と言う娘の一言に背中を押され
決断はした。
その時の決断は正しかったと思う。
でも、やはり時々考える。
ははも、自分の家でじじやばばと一緒に暮らしたいと思う日のあるのでは・・・と。
現実的には色々な問題も多く実現は不可能に近いが・・・・
だから、ばばは思う。
お家で一緒に生活できない分、なるべく面会に行く回数を増やして
母の愚痴などを聞いて上げようと。

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ばば
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