86歳のお婆ちゃんの歌声

12月24日(土)曇り時々小雨
昼2時から、義母がお世話になっている介護施設の
「誕生会&クリスマス会」だったので姉と二人で出かけた。
施設に着いた時は開会5分前だった。

10月から12月生まれまでの方の誕生会とクリスマス会を兼ねた今日の集い。
義母は10月生まれなので、祝ってもらう方の席に座っていた。
母を含め9名の方が並んでいた。

開会の挨拶があり、その後流舞や、カラオケ
島唄合唱・ダンス等のプログラムで舞台発表された。
最後に入所者の86歳にお婆ちゃんが
「是非歌いたい」と要望されたようで
「岸壁の母」を台詞付き・無伴奏で歌われた。
「♪母は来ました〜今日も又・・・・・
もしや、もしやに・・・引かされて・・・♪」
歌っているうちに気分が高ぶってくるのだろう、
お婆ちゃんは涙を浮かべながら絶唱された。
終戦後、復員してくるかもしれない息子さんを
岸壁で待ち続ける母の心情を歌った名曲だが
ばばは、入所者の皆さんが家族の訪問を心待ちにしている心情にも
繋がるような気がして、聞いているうちに胸が熱くなり自然に涙が流れた。
お婆ちゃんが歌い終わると、大きな拍手が起きた。
司会の方が「もう一曲歌っていただきましょう」と言って
再度お婆ちゃんにマイクを向けた。
今度の歌は題名などは分からず、ばばも初めて聴く歌だった。
慌ててバッグからノートとペンを取り出し、メモした。
だいたいの歌詞は
「今は非常時  贅沢やめて
パーマネントもやめ 
革靴は履かないで 下駄を履き
お嫁に行く時は モンペで行きましょう
○○さん 待ってて下さいね・・・・」
○○の所にはお婿さんになる方の名前が入ったような気もするが・・・
戦時中の「贅沢は敵!」と言われていた時代の歌なのか
終戦直後の歌なのか・・・・
それにしても、お婆ちゃんが、きちんと全歌詞を覚えておられたのにはビックリした。
今日の発表のために、毎晩練習していたんだって。
改めて、お婆ちゃんに大きな大きな拍手が送られた。

会はちょうど1時間で終わった。
終わった後、入所者の皆さんにはケーキが配られた。
ばばは、母の近くへ行きたかったが
誰も会場の中へ入る家族は無かったので
廊下から、美味しそうにケーキを食べている母に手を振った。
もし、ばばと姉が入っていけば、母はきっと
「あなたたちも食べなさい」とケーキをばば達に渡すだろう・・・と思い
敢えて入っていかなかったが、せっかく行ったのに、
廊下からは何回か手を振ったりゼスチャーで会話したりしたが
母と直接言葉を交わさなかったのが悔やまれる。
2,3日中に、又出直しましょと思っている、ばばだ。

 

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