Nちゃん

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3月6日(土)曇り時々雨

「啓蟄」を調べたら・・・土の中で縮こまっていた虫(蟄)が穴を開いて(啓いて)動き出す日のことです。

 具体的には、日本人が「さぁ働くぞ」と意気込み始める日のことを言います。

 この時期は、一雨降るごとに気温があがってゆき、春に近づいていきます。

 日差しも徐々に暖かくなってきます。 …と書かれていた。

怠け者ばばも、そろそろ動き出しましょうか?

・・・と外に出た。

車のガソリン満タンにして、病院行って、イオン水を貰って

売り出しの卵を買って、花屋さんを覗いて・・・・・と用事を頭にインプット。

次々と用事を済ませ、あるスーパーに向かっていたら

向こうからトラックに乗った見覚えのある父子が・・・

ばばは、運転席から手を振った。

すると、対向車のお父さんと助手席の女の子がニッコリ。

ばばが車を止めてスーパーに入ろうとしていたら背中の方から

「ばばちゃ〜〜ん」と呼ばれ、ビックリして振り向くと

さっき助手席に乗っていた女の子、Nちゃん。

「ばばちゃ〜〜ん、お久しぶりです」って。

このNちゃん、10年ちょっと前、加計呂麻で2年間一緒に過ごした子だ。

今年はもう大学生になる。

お母さんが徳之島勤務なので、お父さんと一緒にお母さんの所へ来ていて

今月一杯は徳之島にいると言う。

Nちゃん・・・・とても優秀な子で頭の回転が速く、特に、素晴らしい国語力の持ち主だった。

ただひとつ、低学年の頃ちょっと苦手なのは運動だったが、

それでも一輪車もスイスイ乗りこなすし・・・ばばよりは遙かに優れていた。

前にも書いたことがあるが、3年間の加計呂麻勤務中、

ばばにとっては、まさに「魔の時間」の通称「走れ走れ」。

毎日、2校時の終わりに学校前の道路を約1キロ走るのだ。

児童数7名、職員4名が走るのだが、予想に違わず、いつもばばは最後尾。

先にゴールしていた子供達や同僚から

「ばばちゃん、頑張れ!」って声援を受けながらゴールしていた。

初めのうちは、Nちゃんもばばと良い勝負くらいで走っていたが

日にちが経つにつれ、Nちゃんはどんどんばばを追い抜き、先に走っていくようになった。

同僚も、まだ20代と30代でバリバリのスポーツマン。

ばばだけが萎びた茄子のように、よれよれで毎日走っていた。

走るコースが、また学校の前の、いわば集落の中央通り。

走る道すがら、両脇には集落のお爺ちゃんや、お婆ちゃんが門口で声援してくれるんだけど

これも、ばばにとっては気が重かった。

お爺ちゃんやお婆ちゃんが、ニコニコ応援する前を泣き顔で走るわけにも行かず

無理にでもニコニコ笑顔で走らなくては・・・と心がけていた。

Nちゃんは、最初こそばばのパートナーだったが、

そのうち逞しく自立していった。

あれから10数年。

今日会ったNちゃんが「ばばちゃん、痩せたねぇ〜〜」

続けて「ばばちゃん、小さくなったねぇ〜〜」って。

「痩せた」「小さくなった」って自覚したことはないけれど

10数年ぶりに会ったNちゃんが、ばばを見てそう感じたんだろうね。

幼かったNちゃんは、すっかり「今時の女の子」に成長している。

色々話したかったが、Nちゃんは島滞在中アルバイトをしたいので

その面接に行く途中だった。

ばばが車を運転しながら手を振ったのを、Nちゃんがめざとく気付いてくれ

お父さんも車を止めて、わざわざばばを追いかけてきてくれたのだ。

10年以上経っても「ばばちゃ〜〜ん」と慕ってくれるNちゃん。

有り難いし、本当に可愛いものです。

「今度ばばの家にゆっくり遊びにいらっしゃいね」ということで店頭で別れた。

近日中に、また再会できる・・・・・はず。

どんな話が聞けるか、楽しみだな〜。

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