サイレンに合わせて

☆☆☆ ↑ 上のテーマ(題名)をクリックしてテーマのすべてを表示させてからご覧下さい☆☆

8月24日(月)晴れ時々曇り

毎日の散歩コースに牛小屋があり、その前には犬一匹がやっと入れるような

小さな犬小屋がある。

犬小屋の周囲には牧草が生い茂り、トタンも大部錆びている。

この家主?は老犬で、ばばが散歩をするようになってから

家の中にいるのをほとんど見た事がない。

いつもトタン屋根の上に寝そべり物憂げな目をして一点を見ている。

日中は35度近くになる島の夏。

日中でもこの犬は灼熱地獄になるであろうトタン屋根の上に寝そべっているのだろうか?

ばば達が犬小屋の前を通るのはいつも5時前後なので

それ以外の時間帯の犬の様子知らないが、

(きっと屋根の上にいるのでは?)とばばは想像している。

この犬の事は以前にも数回ブログに書いたが,

5時の時を告げるサイレンが鳴り出すと、それに合わせて悲しげに「ゥオ〜〜ン」と鳴く。

その鳴き声は哀切きわまりない。

5時だからだろうか?必ず5回鳴くのだ。

昨日は、ばば達が犬小屋の前に達しないうちに5時のサイレンが鳴り始め

犬も鳴き始めた。

ばばは(今日も5回鳴くかな?)と数え始めたが、何故か一回で泣きやんでしまった。

(5回鳴くのは、やはり、まぐれなのか?)と思いながら犬小屋に近づいた。

少し離れた牛小屋の前に、この犬の飼い主でもあるおじいちゃんが座っていたので

「一昨日は5回鳴いたのに、今日は一回しか鳴かなかったですね」と話しかけると

「いや、私が泣くな!って命令したんですよ」とのこと。

おじいちゃんが命令しなければ、昨日も5回鳴いたであろうと思い何故だかホッとした。

「家で飼っていたときもサイレンや集落放送がある度に

鳴いてうるさかったので畑に連れてきて飼うようにしたんですよ」とも話してくれた。

ばばが散歩を初めて約3年近く・・・と言う事は?

この犬は少なくとも3年以上前から畑で牛の番犬をしながら飼われていた事になる。

外見上も大部年老いて見えるこの犬・・・人間なら7,80代かな?

ヒモに繋がれたまま、ほとんどトタン屋根の上で寝そべっている事が多く、

立っている姿を見た事がない。

この犬も元気に走り回り、好きなときに好きなだけ元気に鳴いていた時もあっただろうな。

留まることなく流れ続ける時間に身をゆだねている自分の姿を

この老犬に重ねてしまう。

悲しいけれど、避けられない現実、加齢。

それだけ自分が年をとってしまったという事かな???

 

 

 

 

投稿者プロフィール

ばば
ばば
最新の投稿