再会に胸詰まり、涙あふれ・・・

9月4日(金)雨のち晴れ
昨日、町の特定検診結果を聞いた帰り、
「要精密検査」項目の紹介状を持って眼科医へ行った。
何曜日が休診なのかも分からないまま、
とにかく一刻も早く受診しようとの気持ちからだったが
病院の中は幸い空いていたので、すぐに受付してもらい
ソファーに座って待っていた。
ばばの座っている前の検査機器の前に、上下黒いスエットスーツの
男性が座って検査を受けていた。
男性はとても痩せていて、ヒョロヒョロの体格。
背はばばより少し高そうだが、体重は40キロを切るのでは?
と思われるほどホッソリしていた。
さらに、男性がは立ち上がると、よろめきながら歩いた。
その右手には、何か装具らしきものが・・・・
病気か怪我で障害が残ってしまったのかな・・・と思い
直視するのが辛くて、ばばは目を伏せていた。
直後、ばばの名前が呼ばれ、今し方、男性が検査を受けていた場所へ
ばばは移動することになり、その途中、一瞬、男性とすれ違いざまに
「ばば〜」と男性の口から発せられた言葉にビックリ!
確かに、ばばの名前を男性が呼んだ!
改めて男性の方を見る・・・・・じぃっと見つめる。
男性が「ばば〜・・・」と言いかけた途端、分かった。
同級生のH君だった。
「H?」とばばが聞くと「そう・・・」と答えた男性。

男性は、ばばの同級生でもあり親戚にもなるH君だった。

このH君、小学生の頃は、お互いの家を行き来したり
又、時には喧嘩をしたりもしたが、性格は、とても温厚だった。
喧嘩と言っても口喧嘩で、いつも、ばばが負けていたが
小学校3年生の時、1回だけばばが勝った記憶がある。
中学生以後は、あまり遊ぶことも無く、成人してからは
年に数回、斎場等で会うくらいだった。
H君は重機操縦の免許も持っていて、
彼方此方の工事現場で頑張っていると聞いていた。

そのH君が悲劇に見舞われたのは3年前の秋・・・・だったかな?
H君は木の伐採作業をしていた。
切った木の枝を下に落とそうとしたが、途中の木の枝に引っかかってしまった。
そこで、H君は足で木の枝を下へ落とそうとした。
その瞬間、バランスを崩したのか?H君は地面へ落下。
すぐ病院へ運ばれたが、島の病院では治療できず
当該の病院へ緊急搬送され、手術、リハビリ生活を送った。
そして、約1年後、帰島したが体右半身に麻痺が残り
日常生活にも支障を来し、そのまま介護施設の世話になることになった。

この間、お見舞いに行くべきかどうか?ずっと迷っていたばば。
すぐにでも行って、声をかけたいとも思ったが
自分をH君に置き換えて考えた時、同級生といえども
会いたくないと言うのが本音では・・・という思いもあり躊躇していた。
2年間くらいの間に、H君のお姉さんと数回会う機会があり
そのたびにH君の近況を聞き、左手で食事などはできていること
何とか自力で歩けること、記憶もちゃんとしていて
会話もできることを聞いてはいた。
しかし、やはり、直接お見舞いに行くのは躊躇していた矢先
眼科医でバッタリ遭遇したH君。

「ばば〜」と呼びかけられ「H?」と聞き返して
思わず胸が詰まり、涙があふれそうになった。
しかし、ここでばばが涙を見せてはいけないと
「お見舞いに行きたいと思いながら、
なかなか行けなくてごめんね、ごめんね」と謝った。

ばばが1つの検査を終えた時、H君はソファに座って
次の検査を待っていたので、ばばもその横に座った。
しぜんにH君を支えるような形で、H君の背中に手を回してドキッとした。
あまりにやせ細っていて、服の上からでも痛々しい思いがして
手を引っ込めた。

H君の付き添いで女性も2人来ていたので、その方達と話したり
H君と話したりしているうちに、
何だか小学校時代の事を色々思い出したりした。
あまり込み入った話はできなかったが、H君が思ったより元気なことにホッとした。
しかし、自力で自由に歩けない、行動できない・・・・
友達と会って、楽しく喋ったり、時には飲んだり
ドライブしたり・・・・ありふれた事が、今のH君にはできない。

H君のお姉さんの話によれば、H君は自宅へ帰りたいと言うそうだが
自宅に帰って、自立した生活ができるだろうか?

色々考えているうちに、H君が診察室に呼ばれ
入れ替わるように、ばばが呼ばれたので、
わずか10分足らずくらいの短い再会でH君とは別れた。

帰宅後、じじにもH君と会ったことを話した。

一瞬の事故で、人生が暗転してしまったH君。
リハビリに励み、再び同級生や姉妹達と
談笑できる日が来るのだろうか?

H君の姿を見て、話して
これからの自分の人生についても色々考えた昨日のばばだった。

 

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