カードと、お釣り等なくしたって
4月3日(金)晴れ
ばばの姉は、ばばから言うのも変だけど
「超」が付くほどの真面目人間。
チャランポランな妹であるばばを、年中サポートしてくれている。
買い物に行けば、そこからメールをくれ
「何か欲しい物無い?」と聞いてくれ、買って来てくれる。
そんな姉に頼りっぱなしで、じじからは
「いつも、妹がお姉さんをこき使っているね。」と言われる。
時間が合えば、買い物も一緒に行くし
遠出で撮影に行く時も一緒に行く。
お墓参りなどは、話し合って時間を合わせて行く。
だから、ばば姉妹を知る人達からは
ばばが、1人で買い物をしていたら
「お姉さんは?」とか、「相棒は?」とか
「今日は1人なの?」とか声をかけられる。
一緒に居る時は「女姉妹が近くに居るって良いね。
羨ましい」とも、よくいわれる。
昨日も、姉の出先からメールが。
「どこそこにいるけど、買うのある?」と。
どうしても、自分の目で確かめて買いたいのがあったので
「後しばらくしたら行くね」と返信し、準備をして出かけた。
お店でばばを待ってくれていた姉、
ばばが上の階で買い物をしている間に
ばばの買う野菜などの精算をしてくるねと言うので
ポイントカードと代金を預けた。
ばばが買い物を済ませて、下の階に下りようとした時に
姉が上がってきて、
「あっ、もう、終わったの。下の会計で満点券がでたから
その券で支払いさせようと思って慌てて上がってきたのよ」と言う。
そして、踊り場の所で、ベンチに座り
ばばに、お釣りと満点券とポイントカードを渡そうとした。
「もう、支払い終わったから良いよ。
次の買い物で満点券は使おう」と答えた。
すると、突然、姉が慌てだし「あれっ?あれっ?」と・・・・
ふだん、おっとりした姉と明らかに様子が違うので
「どうしたの?」と聞くと「あなたのポイントカードと
満点カードと、お釣りが無い!」と自分のバッグや
財布を何回も何回も探している。
そんな姉を見たことが無かったので、ばばは
「もしかして?私が無意識にもらったんじゃない?」と答えたけど
姉は「いや、まだ渡してない」と言う。
それから、ふたりしてそれぞれ自分のバッグを隅から隅まで探すけれど
カードもお釣りも満点券も出てこない。
途中から姉は「ごめんね。私が余計なことをしなければ良かったのに。
ごめん」と、何回も何回も気の毒になる位、謝り続ける。
「良いって、良いって。そのうち出て来るから。
もし、出てこなくてもポイントカードは作り直せば良いから」と
ばばは言うけれど、姉があまりにも落ち込んで謝るので
気の毒になって来た。
ばばに楽をさせようとした行為が、迷惑を掛けてしまったと思っているのね。
お釣り、満点券、ポイントカード再発行代合わせても
1000円位なのに・・・・・
姉はばばが引き留めるのにもかかわらず
レジの所前行って、ポイントカードとお釣りの小銭を忘れてなかったか
聞いていたけれど、レジの方も分からないみたい。
ほんの10分前位の事だけど、きっとお客さんが多くて
気づかなかったのかも知れないね。
もう一度、姉に「大丈夫だから。きっと出て来るって」と言って
ばばは車で、姉はバイクでばば宅まで一応帰宅し
そこで、もう1回ゆっくり探してみようよという事になった。
責任感の強い姉の落ち込み方は、こちらが気の毒になる位で
申し訳ないという気持ちでいっぱいのばば。
「レジで、あなたの名前と電話番号教えて
もし、カードが出て来たら連絡して下さいとお願いしてきたよ」と姉。
昨日、寝るまで連絡は無かった。
今朝、姉から又メールが入った。
「今出先だけど、昨日はごめんね。買うのがあったら買って帰るよ。」と。
厚かましいばばは、又しても買い物を姉に頼んだ。
しばらく経って、姉が買った物を持って家に寄ってくれた。
第一声は、またしても「ごめんね〜」だった。
「良いって、良いって。あのカードはね、きっと姉さんとばばを
守ってくれたんだと思うよ。カードを無くして店内で滞在した時間、
もし、店外に出ていたら何かあったかも知れない。
カードは、あまりに古くなっていたし去年辺りから
作り直そうと思っていたのよ」と話したら、姉は静かに笑っていた。
2人でお茶して、姉は帰って行った。
昼前になってじじが撮影から帰って来た。
お昼ご飯を済ませ、洗い片付けていると電話が鳴った。
「050」で始まる電話。
きっと迷惑電話かな?と思ったけど受話器を取って
「ハイ」とだけ答えた。
すると、「○○さんのお宅ですか?」と女性の声が言う。
「ハイ」と答えると「ばばさん、いらっしゃいますか」と。
いよいよ勧誘か何かだなと思って、次の言葉次第では
電話を切ろうと思っていたら
「実は昨日夕方、買い物後ポイントカードとお釣りを忘れておられたようで
レジの方でお預かりしているんですけど」と。
ばばも急に丁寧な言葉遣いになり、お礼を言って
「後ほどお伺いします.ありがとうございました」と答えた。
電話を切った後、すぐ姉に連絡した。
受け答えする姉の声が1オクターブ高くなって
「良かった〜良かった!」って。
弾んだ姉の声を聞きながら、ばばも、本当に良かったと思った。
カードはすぐにでも再発行して貰えるし
お釣りと満点券と言ったってわずかな金額。
姉が元気になってくれたことが、一番嬉しい。
良かった!良かった!めでたし、めでたし。