椎の実とドングリ

12月13日(土)晴れ
じじが数日前、「今日は、ばばにお土産があるぞ〜」と、
意気込んで帰って来た。
「何?、何?」と、ばばが見守る中でじじが出したのは
数十個の椎の実と、2,3個のドングリ。

え〜〜〜っ、ばば、椎の実なんか欲しくないんですけど。
椎の実より、栗の実が良いよ〜・・・
と言っても徳之島に栗の実なんか無いけどね。
椎の実か〜。
じじが子どもの頃、杯1杯10円位で買っていたんだって。
椎の実を買っていたのかあ・・
ばばは、洗濯に行く母や姉の後について行って
山道でいくらでも拾っていたよ。
こんな事書けば、又「石器人ばば」って思われるかも知れないけれど
ばばが子どもの頃は、川に行って洗濯していたんだよ〜
「お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に・・・・・・」
の世界だね〜。
「ブーチゴー」と言ってね、山深い場所の川に行っていた。
「ブーチ」って言うのが地名で「ゴー」は「川」って言う意味だよ。
ブーチゴーへ行くには、石ころだらけの細い道を
ずっと下りて行くんだけど
両側が山で、木の枝が垂れ下がっている場所もあったし
時には満開のツツジの花が垂れ下がっていることもあったよ。

川へ下りて行く途中には、椎の木やドングリの木もたくさんあって
季節になると、実がたくさん落ちていた。
母や姉が洗濯をする間、ばばは好きなだけ拾い集めて持ち帰っていた。
ドングリはヤジロベエにしたり、ドングリゴマにしたりして遊んだ。
椎の実は・・・・
はっきり覚えていないんだけど、数日間乾燥させてから
母が、鍋で煎って食べさせてくれた。
栗の実よりは遙かに小さくて、甘味も落ちるけど
それでも、ばばにとっては嬉しいおやつだった。
川の近くで無くても、山の近くの畑に行くと
大きな椎や、ドングリの木がそこかしこにあって、
いくらでも拾えたから、じじが盃杯1杯、いくら・・・・」で
買っていたと言うからビックリしたけれど
じじ達が暮らしてい地区は、ばばと比べたら都会だったから
自分で椎の実やドングリを拾うという体験は
あまりしたことが無かったのかも知れないね。
椎の実は売ったり買ったりしたこと無いけど
桑の実をたくさん取ってきて、布で包んで汁を搾って
種だけを集め、その種を「盃1杯10円」で売った記憶はある。
「50銭飴」と言って、1円で2個飴玉が買えた時代だから
10円って、ばばにとっては大金だったなぁ・・・・・
油も醤油も量り売りの時代だった・・・・
と言えば、ますます「ばばって、何時代に生まれたの?」って
突っ込みが入りそうだけど、ばばにとっては良い思い出。
古き良き時代の思い出・・・・

じじのお土産から.自分が小さかった頃の記憶が
たくさん甦ってきたよ。
お土産の椎の実とドングリは。室内で1日だけ干して
その後小皿に入れてあるけど、ばばはこれだけの実を
食べられるようになるまで煎る根気はありませ〜〜ん。

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