今でも涙が出る・・・・

9月9日(水)曇り時々雨

昨日の焼け付くような陽ざしとはうって変わり、どんより天気の徳之島です。

朝方は青空も見えたので、台風前に溜めたお風呂の水も使って洗濯。

干して30分も経たないうちに雲行きが怪しくなって、雷も鳴り出したりしたので

洗濯物は全部室内干しに・・・

終日こんな天気かな?今日の徳之島は。

一昨日は、台風10号で荒れた庭の後始末などをしたが

昨日は昼から姉と一緒に、お墓参りがてら実家の様子などを見に行った。

実家に寄って、庭に入ってみたが、何の異常も無くほっと一安心。

ただ、長い事、室内には入っていなかったので、カーテンフックが劣化したのか?

少し隙間が出来ていた。

次の機会に、代替品を持って行って取り替えてこなくちゃ!

実家を出て、姉の婚家に向かう途中の高台「ハンタ」で、

あまりに海が青くて綺麗だったので車を停めた。

海が見下ろせる高台をばばの実家集落では「ハンタ」と言っていた。

真っ青な海と白い波を見ているうちに、何故か今は亡き父の事が思い出された。

オロギバンタ

これまでブログで何回も書いているが、我が家は母は厳しかったけれど

父の怒声を聞いた事は一度も無い、いつも静かに微笑んでいる・・・そんな父だった。

その父が、ばばの独身時代「ばば子だけは、お嫁にやらないでおこうかな」と言った事があった。

末っ子のばばがお嫁に行く事が寂しかったんだろうね。

そんな父だったけれど、ばばがじじと結婚し、娘達が誕生し

毎週末、姉親子と、うちの家族全員で実家へ行くのを心待ちにしてくれていた。

無口で、家の娘達や、母とばば姉妹が色々話すのをニコニコ聞いていた。

たまに晩酌をしているじじと話してはいたけど、殆どが聞き役に徹していたような気がする。

又、父は読書が好きだったので、月刊誌や週刊誌などを

しょっちゅう買って持って行くと、とても喜んでくれた。

母も、皇室関係の記事や写真を見るのが好きだった。

姉親子とばば達が帰る時は、必ず孫全員にお小遣いをくれ

車の窓を開けて、孫全員と握手をして、その後はばば達の車の明かりが見えなくなるまで

ずっと門で手を振り続けていたそうだ。

我が家の娘が、小学4年生の頃からだったかな?

「リトルチェリーズ」というジャズバンドに入り、

県内を始め、全国彼方此方で演奏をしていた。

当時は、島外の演奏に行く時は、必ず鹿児島と沖縄を往復する定期船で行っていた。

週末実家に行った時、娘は「今度、どこそこで演奏する事になって

○月○日の船で行くよ」と祖父母に伝えていた。

すると、娘の出発の日、夕方、定期船が、遙か沖合を通る時、

父は、ずっと「ハンタ」で見送ってくれていたのだ。

家から「ハンタ」へ薪を運び、狼煙を上げて・・・・・

昭和60年代初頭当時だから、個人が「狼煙をあげる」事も出来たんだろうな・・・

でも、父がそんな見送り方をしていたと知ったのは、ずっと後になってからだった。

演奏旅行に出かける娘は、祖父が狼煙を上げて見送っている事は知らなかったから

きっと、船の中で友達と楽しくお喋りとかしているか、夕食のお弁当を広げていただろうな・・・・

もし、娘が狼煙を見ようと思っても、沖合を通る定期船から「ハンタ」までは距離があるので

祖父の狼煙を見る事は出来なかっただろう。

よっぽど大量の薪を燃やして大きな狼煙を上げていたら、見えていたかな??

いや、やはり見えなかったと思う。

それでも、父は毎回、「ハンタ」で狼煙を上げて孫を見送ってくれていたのだ。

可愛い可愛い孫にエールを送るつもりで、狼煙を上げて見送ってくれていたんだよね。

父の孫に対する愛情を思うと、今でも涙が出て出そうになる。

昨日は、「ハンタ」に駐車して海の写真を撮りながら

「もしかして?父はこの辺りで狼煙を上げていたのかな?」と思ったり

「もしかして?父が立っていた場所に、今、自分は立っているのでは無いだろうか?」

と思ったりしたら、胸が締め付けられるような気がした。

両親に対しては、いくら感謝してもしきれない。

幼い頃から、礼儀とか、普段の生活態度に対して、とっても厳しかった母。

だから小学校高学年の頃かなぁ?厳しすぎる母が嫌いだった時期もあった。

でも、自分が社会人になり、結婚して妻となり、母となって

厳しかった母に感謝してもしきれないほどの気持ちになった。

又、父を「嫌い」と思った事は一度も無い。

ばばを叱る事も無かったし、家族に対しても声を荒らげるのを

一度も見聞きしていない。

だけど、そんな父の姿から学ぶ事も沢山あった。

厳しかった母、優しかった父。

夫婦として、丁度バランスが取れていたんだろうな・・・・

そんな両親のお陰様で、現在のばばの生活がある。

だから、今は両親に対しては「感謝の気持ち」しかない。

昨日昼、「ハンタ」に立ったおかげで、亡き両親に思いを馳せ

更に感謝と尊敬の気持ちが強くなったばばです。

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