色々な別れ(その1)

8月29日(火)晴れ
昨日は、町のお祭りでの「闘牛パレード」について書いた。
志半ばで逝去された、Tさんのと仲間達が提唱して実現したという
「闘牛パレード」について書き残しておきたいという思いからだった。

「別れ」は悲しい。
人生では色々な別れがある。
家族・友人知人等との別れの悲しみは格別である。

一昨日の夜、9時頃から夏祭りを締めくくる花火大会があった。
会場まで行かず、ほぼ毎年、自宅屋上から花火を見る、じじとばば。
ドド〜〜ンという、最初の花火が上がる音からしばらく経って屋上に上がった。
じじは写真を撮っているけど、ばばのデジカメでは無理だったので諦めて
高く、低く打ち上げられては消える花火を見ていた。


パァ〜〜〜ッと花開いて、一瞬のうちで消えてしまう花火。
見ていても切ない。

花火大会の途中で、ふとお隣さんのお宅を見ると電気が点いている。

このお宅は、ご夫婦で理髪店を営んでいたが、おじちゃんが亡くなり
おばちゃんひとりで理髪店を続けていて、じじは、ずっと通っていた。
しかし、一昨年のお盆前後だったか?突然、おばちゃんの姿は見えなくなり
戸も閉まったままになってしまった。
あまりに不思議で、ご近所さんに聞いてみると
「子どもさんの所へ行ったみたいよ」とのこと。
「しばらく、都会で暮らすお子さん達の所で暮らし、お盆もそちらで迎えるのかな?」
と思っていたばば。
しかし、お盆が終わる頃、おばちゃんのお子さん3人だけが帰って来た。
「不思議だなぁ・・・」と思いながら覗いてみると、お家の整理に帰って来たとのこと。

島でひとり暮らしだったおばちゃん、ある晩急に具合が悪くなり
夜中、病院へ行き、その晩は入院したとか。
それで、ひとり島で暮らすのは心細くなり、
都会で暮らす子ども達の所へ行く決心をしたそうだ。
そういう事とはつゆ知らず、すぐに又、おばちゃんと会えると思っていたばば
かなりショックだった。

子どもさん達3人は数日で家を片付け、又都会の自宅へ戻って行った。
空港へ出発する前、おばちゃんの親戚の方数名、じじとばば、
それに数名のご近所さんで写真を撮った。

あれから、もう3年近く経ったかなぁ・・・・・
ばばは、仕事をしていた頃は「仕事、仕事」と、仕事中心の毎日で
休日になると家事を済ませ、体を休める・・・という生活スタイルで
親しくご近所づきあいをするという事もあまりなかった。

退職してからは、積極的にご近所さんに挨拶もしたり
世間話をしたり、出来ることは手伝ってあげたりして、だんだん親しくなっていった。

理容室のおじちゃん、おばちゃんは、ばばのことを「ばばちゃん、ばばちゃん」
と呼んで可愛がって下さった。
ばばが退職前になって単身赴任で行った加計呂麻が、おじちゃんの出身地だということで
おじちゃんのご縁の先輩方々にも可愛がっていただいた。
おじちゃんが亡くなった後、おばちゃんから、よく電話がかかってきた。
ちょっと高い所にある額を外したり・・・と言う時は、じじに。
ばばが行きつけのお魚屋さんに行く時は、ばばに。

おばちゃんは、お隣ご近所をとても大切にされていて
都会などから贈り物が届いたら、必ずご近所さん達にも少しずつ「お福分け」をして下さった。
ある時、おばちゃんが送られてきたという「冷凍餃子」を届けて下さったことがあった。
しかし、ばばに渡す時になって「あれっ!1個足りない。たしか6個持って来たんだけど・・・」と言う。
「不思議だねぇ」と笑いながら、おばちゃんは帰って行ったが
我が家の車庫に行く直前で「あっ!ここに1個落としてある!」って。
可笑しくて可笑しくて、おばちゃんと2人して大笑いしたのが、つい先日のような気がする。

他にも・・・・季節によっては沢山の野菜の頂き物がある。
そんな時も必ず電話をかけてきて「ばばちゃん〜○○を沢山もらったので
おばちゃんひとりでは食べきれないんだけど、助けてくれない?」と
ばばに気を遣わせないような言い方で、ばばを呼び
ばばが欲しいだけの野菜などを、しょっちゅう分けて下さっていた。
ついでに、他の方々への「お届け」もばばが、したり・・・

おばちゃんは花が好きで、お家の前にはプランターや鉢植えで
四季折々の花を咲かせ、ばば達の目を楽しませてくれた。
又、廃物利用で生ゴミは近くに作った菜園の肥料にして、
バケツなどで水を運んで野菜を育て、収穫した野菜を、又分けて下さったりもした。

いつもニコニコ笑顔で、週2回、ゴミ出しの日に偶然道路に出ていると
「ばばちゃ〜〜ん」と、玄関先から声をかけて下さった。
おばちゃんは、話す時の声が高めだったので、声を聞くだけで元気になれた。

そんなお付き合いを始めて7年目位だったかなぁ・・・
突然、おばちゃんが都会へ・・・・
最初の頃はゴミを出す時、しぜんにおばちゃん姿を探して
おばちゃんの家の方をキョロキョロ見ていたが、最近やっと
「おばちゃんは、もう、ここにはいないんだ」と諦めることが出来つつあった。

文が長くなるので、今日はここまでにするね。
ごめんなさい。

投稿者プロフィール

ばば
ばば
最新の投稿