病院の往復タクシー・・・って

3月3日(金)曇り
朝食後、思い立って病院へ行った。


待合室には3,4名しかいなかったので
「今日は早く終わるかな?」と楽観していたら・・・
終わったのは10時過ぎ。
看護師さんが血圧計って、しばらく待って
診察室へ入って、先生が「お変わりないですか?」と聞いて
「では、胸の音聞かせて下さいね」と
胸と背中に6回ほど聴診器を当てて
「はい、心臓の音は良いですね。
いつもと同じ薬出しましょうね」で、終わり。

病院にいた、約2時間。
毎回だけど、先生の診察は、ほんの2〜3分ほど。
診察料を払い、薬局で薬をもらって帰って来る。

待ち時間が長いので、普通は病院にある雑誌など読んで
時間をつぶすが、今日は知り合いのご夫婦がおられたので
雑談して、2人が帰られた後、読む本を探そうかな?と
思って立ち上がったら、バッタリ目が合ったおばあちゃんが
笑顔でばばに会釈した。
「どなた?だったかなぁ・・・」と考えていると
おばあちゃんが「あなたはどこから来たの?」と話しかけてきたので
「すぐ近くから来ました」と答えると
「良いねぇ・・私は山奥のどこそこから来たのよ」と言う。
「バスでいらしたんですか?}と聞くと「タクシーで」という答え。
以前はタクシー代が往復で3500円くらいだったけど
今は少し安くなったそうだ。
おばあちゃんが色々話しかけるので、読書は諦め
おばあちゃんの話を聞いてあげる事にした。
元々は、ばばの実家集落の隣集落で生まれ
その後、今の住まいのある場所へ引っ越されたとか・・・
「あなたの実家集落には、今でも大きな池がある?」
と聞かれたので、「今は池は2つとも埋め立てられて
駐車場になっていますよ」と答えるとビックリしていた。
「あの池に咲いていた水草の花が大好きでね、
欲しいと思っていたのよ」って。
「ホテイアオイですかね」と尋ねると
「そう。あの花はすぐ増えるよね・・・欲しいけど
なかなか手に入らなくてね」等と、次々話してくれた。
「私はMと言うんだけど、あなたの名字はなんていうの?」と聞かれた。

ばばは一瞬迷ったが「○○です」と答えたが
上手く聞き取れなかったらしい。
「私は耳が悪くてね。良く聞き取れる時と、
聞こえない時があるの」と言うので、ばばはメモ帳を取り出して
ペンで漢字を書き、もしかしたら?読み方が難しいかな?と思ったので
漢字の横にカタカナでふりがなを付けたら
おばあちゃんニコニコして頷いていた。

耳が不自由と言うおばあちゃんの名前が呼ばれたら
すぐに教えてあげようと、看護師さんが名前を呼ぶ度に
ばばも気をつけていたら、6,7番目に名前を呼ばれ
おばあちゃんは「ありがとうね」とばばに頭を下げて
看護師さんの方へ歩いて行った。
しばらく経つと、ばばの前に来て「今まで2回も呼んだんだって」と言い
笑いながら、診察室の前のソファーに座った。

その後すぐ、ばばも受付で名前を呼ばれたので
診察料を払ってから、もう一度、おばあちゃんの所へ行き
「お先に失礼しますね」と挨拶すると、
おばあちゃんは「じゃぁ、又ね」と笑顔でばばに手を振った。

見ず知らずのおばあちゃんと、雑談している内に
何だか知り合いのおばあちゃんのような気がして
退屈せずに病院でも待ち時間を過ごせた。

おばあちゃんの話を聞いて思った。
病院へ来る為に、わざわざタクシーを利用しなければならない高齢者が
島内には、たくさんいらっしゃるんだろうな。
病院の送迎車とか、町の病院送迎車とかあれば
月に1回ほど、決まった時刻に、決まったコースを回って
患者さんを病院まで送迎出来るようなシステムがあれば良いのになぁ・・・と。
もしかしたら?病院によっては、送迎サービスがあるかもしれないけれど
島内隈無く回る事は難しいんだろうなぁ・・・

そう言えば・・・
病院からの帰りに、あるスーパーに寄ったら
ばばの後にレジを終わった80代後半とおぼしきおばあちゃんが
レジの方に「病院の車で帰るから、遅れたら困るから
タクシー呼んでくれない?}と言っていて
お店の方が、携帯でタクシー会社に連絡していた。
病院と、そのスーパーはほんの数百メートルしか離れていないけれど
買った荷物を持って、数百メートル歩くのも
80代後半の方にとっては、大変な事だよね。
ましてや、「病院の車で帰る」と言っていたから
病院の送迎車が後しばらくしたら、発車するという事だったのかな?
決められた、ほんの短い時間内で買い物をして
タクシーで帰る・・・
スーパーへ来た時も、タクシーだったのかなぁ?

ばばは、自分が今住んでいる場所が病院やスーパーにも近く
まだ自分の足で出かけられ、子らは普通だと思っていた。
でも、今日出会った2人の先輩から
色々な事を考えさせられ、町の方でも
もっと老人福祉などについて、細かく現場の話を聞き
実行できることは少しでも実行して欲しいとつくづく思った。

人間、誰でも年をとる。
もし、自分が今日出会った、あの大先輩のような境遇だったら・・・・
他人事では無いなぁ・・・
みんなで考えなければならない大事な事なんだよなぁ・・・

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