あの時は、すみませんでした
12月9日(水)曇り
夕方4時過ぎ、買い物に出ようと車に乗った。
ばばの家は県道沿で、車庫から車道まで2メートルちょっと位。
車を車庫から出す時は、ゆっくりゆっくり左右を確認する。
特に、右側から来る車が見にくい。
その右側へいつも買い物に行くので、
きちんと県道へ出るまでは、いつもドキドキ。
今日は、ばばが運転席に乗った時、
たまたま50年前の恩師が車の前を通ったので、ばばは軽く会釈をした。
すると、恩師はばばの車前を通った後、
右と左を確認し、何と、ばばの車を誘導して下さった。
ありがとうございます!
この恩師は、ばば、中学1,2年の担任。
数学の先生で、とても几帳面。
黒板の文字なども、定規を当てて書いたような
きちんとした字を書いていた。
ばばは、数学が大っ嫌い。
それなのに、なぜか希望もしないのに購買部員に選ばれてしまって・・・
購買部員は女子だけだったかなぁ・・・
当時、購買部は朝始業前と、2校時の休み時間、お昼前に開けていて
学用品を売っていた。
昼食前になると購買部でおかずの量り売りなどもしていたよ。
おかずと言っても、佃煮類だったけど。
そして、放課後になると、その日の売り上げを計算し
売り上げ記録ノートと照合して、顧問?の先生のチェックを受けていた。
今考えれば顧問?のF先生は、新卒で、ばばの母校に赴任してこられたのかも・・・
このF先生が、ある日購買部にいた女子数名に
「みんなが、大人になって結婚しようと思う理想の男性は?」と聞かれた。
ばばは、即答した。
「5歳年上で、メガネをかけていない人です」と。
なぜなら、ばばの兄姉は、3人とも5歳年上で
メガネをかけていない人と結婚していたから、ばばも、そうするだろうと
漠然と思っていたのだと思う。
F先生は、メガネをかけていたのに・・・・・
悪いこと言ってしまったなぁ・・・と、後日、ずっと後悔した。
中学卒業後、F先生と会う機会も殆ど無かったが
社会人になり、じじと結婚してから、又、関わりが。
F先生が、じじの上司になったのだ。
ばばが中学卒業してから20年以上経っていたから
先生が、ばばを覚えていたかどうかは分からないけれど
中学時代の自分の「メガネをかけていない人」と言った発言を思い出し
申し訳ない気持を持ち続けていた。
ばばは「5歳年上で、メガネをかけていない人と結婚した」かと言えば・・・
じじとは1歳しか違わないし、じじはメガネをかけている。
現在に至っては、ばばだって文字を書いたり読んだりする時は
老眼鏡をかけている・・・・
理想と現実・・・・
まぁ、年がいくつ違おうが、メガネをかけていようがいまいが
結局は人間性とか、感性とかで、ばばは結婚したと思っている。
F先生にとって、ばばは何千人の教え子の中の一人に過ぎないけれど
ばばにとっては、何故か忘れられない恩師。
不思議なもので、今、F先生宅と我が家は1kmも離れていない。
ばばは車に乗っていて、F先生は徒歩の時会うことが多いので
言葉を交わすことは殆ど無いが、会釈は必ずしている。
約半世紀経って、恩師の近くに住んでいる。
中学生の頃は、予想だにしなかった。
人と人の縁って、本当に不思議だなぁと思う。