夫婦
4月12日(土)晴れ
出先などで、色々な夫婦を見かける。
つい先日、ある場所で見かけた夫婦。
車の外に突っ立っていた70代くらいのご主人の髪の毛を
奥さん(だと・・・思う)が大きなブラシで整えてあげていた。
その後、ご主人の背広の前ボタンを留めてあげて
ご主人は歩き出した。
その後から歩いて行く奥さんは、又してもブラシを取り出し
歩くご主人の後ろから髪の毛を整えてあげていた。
じじの髪の毛を整えてあげたことなど一度も無いばばはしばし黙考・・・・
そう言えば・・・・
じじの母は、じじ父が出かける時
玄関先で必ず櫛で父の髪の毛を整えてあげていた。
それに、散髪も母がしていた。
ばばは、どうだ?
結婚1年目頃だったろうか?
当時加計呂麻に住んでいて、海を渡らなければ理容室もなかったので
ある日、じじが「ちょっと散髪してくれ」とばばに言った。
ばばは、それまで散髪と言えば実家の父が
自分でバリカンを使い散髪した後、刈り残した数本の毛とかを
バリカンで刈ってあげたことくらいしかなかった。
父は、ばばが物心ついてから、ずっと坊主頭だったから
バリカンで刈るたって、そんなに難しいことは何一つなかった。
しかし、当時のじじの髪の毛は父と比べたら大分長くて、おまけにクセ毛。
じじの散髪をして上げられる人って・・・ばば以外になかったから
仕方なくハサミでカットは始めたものの・・・全くのド素人のすること。
あっと言う間にじじの頭は虎刈り状態に。
あれから何十年経っても、2度とばばに「散髪して」の指令はありません。
そうそう、じじが、ばばの髪の毛をカットしてくれたことも1度だけあった。
長女がまだお腹にいた頃で、髪の毛がロングだったばばも
洗髪が少しきつくなったので、カットすることに。
ばばの場合はストレートだし、真っ直ぐカットするだけだったので
難なくじじはカットしてくれた。
10センチ以上カットしてもらった毛は、自家製の針刺しの中にでも入れようと
ずっと大事に取っておき、加計呂麻勤務が終わって島に帰る時も持ち帰って
大分長い事保管してあった。
しかし、いつまで経ってもずぼらなばばが針刺しを作ることはなく
人生で初めてじじがカットしてくれた髪の毛はポイッされてしまいましたとさ。
ばばはよくスーパーへ行くが、夫婦一緒に買い物をしている若いカップルは多いね。
最近は、シニアのカップルも、たまには見かけるようになったが
若いカップルでは男性がカートを押し、女性が品物を次々入れていく・・・
シニアカップルの方は、奥さんがカートを押し、品物を入れていく後ろを
ご主人は付いていく・・・という光景が多いような気がする。
何十年か前、職場でこんな事を言う同僚がいた。
「鹿児島から来た夫婦はスーパーなどで買い物をする姿で分かるよ。
旦那さんがカゴを持って、奥さんは品物を入れていくし
買ったお荷物を持つのも旦那さん。島の夫婦は、奥さんが自分で買った品物を
自分で持って、旦那さんは手ぶらで歩いているよ」って。
時代は変わったなぁ・・・と思うのは、ばばだけ?
夫婦って、一緒に暮らすうちに色々変わっいていくんだよね。
歳月を重ねるにつれ「阿吽の呼吸」になる事も多くなるような気がする。
ばばなんか、今ではじじより先回りして行動することが多い。
「じじは、次はこれをほしがるだろうな。」とか、
「これを取るだろうな」と思うと、すかさずばばが動いてしまい
娘達からは叱られることも多い。
「お母さん、出来ることはお父さん自分でさせないと、
そのうち、お父さん何もしなくなって、出来なくなるよ」って。
ばばは、じじのことを、ときどき「何も仙人(何もしない人)」と揶揄するが
その責任はばばにあったんだねぇ〜。
結婚当時、ばばは「おっとり・のんびり屋」で
じじは「せっかち・テキパキ」で真逆な夫婦だったと思う。
綾小路きみまろさんではないけれど・・・・・
「あれからウン十年・・・・」
今や、180度ひっくり返って、ばばが「超せっかち」になり
じじは「超のんびり屋」になってしまった我が家。
変われば変わるもんですなぁ・・・と、ビックリ。
「育てたように子は育つ」と言うけれど
「育てたように夫は育つ」って言うのも正論かも知れないと
最近、つくづく思うようになったばば。
逆に・・・じじがこんな強いばばに育てたのかな?