月命日・不思議な物
3月5日(火)晴れ
今日は不思議な物を2つ見た。
その1つ。
3時過ぎ、ベランダに出て海を見ていたら
変な形の物が浮かんでいた。
じぃっと見ていると、その物体は南の方へ動いている。
(普通の船でもヨットでも無い。何だろう?)
興味津々見ていたら、ビルの陰に隠れてしまった。
数十秒経つと、再び姿を現した。
双眼鏡で見れば良かったが、車庫まで下りて持ってくるのが億劫で
ずぅっと肉眼で見ていたが、正体は分からなかった。
その物体は、大きな四角いコンテナが2つあって、
コンテナとコンテナの間はもう1個コンテナが入るくらい開いていた。
2個のコンテナの向こう側にはタワーのような物が見えた。
まるで、四角いお家がスゥ〜〜と動いていくようにも見えたが
ばばは、今までこのような物を見たことが無いので
正体が知りたいなぁ・・・と思った。
誰か教えてくれないかなぁ・・・・・・
その2つめは、
実は、今日は父が亡くなってから一ヶ月の月命日だった。
朝からお墓参りに行こうと思っていたけれど
あれこれしていたら、お昼になり、
更に作業を続けていたら4時を回った。
5時過ぎたら急に車が増えるから、5時前にはお墓に行かなくちゃと
5分前に車を出した。
お墓まで1分。
お墓近くにある駐車場に車を止め、お墓に行った。
その時、何気なく空を見たら大きな大き鱗雲が空を覆っていた。
「覆って」という表現以外見つからないくらい巨大な飛行機雲だった。
父が入院していた病院の方から、徳之島高校の上の方へ
そして更に南の方へ広がっていた。
病院側の鱗雲の一つ一つは小さく、南へ行くにつれて大きくなっていた。
「なんて壮大な鱗雲だろう?」
亀津の町の上空の半分以上を覆っているような感じだった。
ほぉ〜〜〜っと大きく深呼吸をしてからお墓へ下りて行った。
今日はばば以外、誰もお墓に人はいなかった。
まず、家から持って行ったお花を生けて、湯飲みや杯を洗い
水を替え、お酒を注いだ。
その間、左手の木立から絶え間なく小鳥の声が聞こえた。
見上げるとイソヒヨドリが枝に留まっていた。
メジロが数羽飛び交っていた。
シジュウカラもいた。
ばばが、お墓の回りの草を抜き始めると聞き覚えのあるドラミングが聞こえた。
「コゲラだっ!」
何処にいるのだろう?
目を凝らして木の枝を彼方此方見たけれどコゲラの姿は見えず
ドラミングだけは絶え間なく続いていた。
「うちのお墓で、こんなにたくさんの小鳥を見たり
鳴き声を聞いたのは初めてだな」と思いながら
雑草を抜き続けた。
雑草は1センチ前後の小さなものがビッシリ千本近く生えていた。
最初のうちは、500本抜いたら帰ろうと思った。
あまりに雑草が小さすぎて、おまけに墓の土は硬くて
指先が痛くなってきたからだ。
でも、小鳥の声を聞きながら必死に頑張り、さらに熊手で地面を掃くと
土が削り取られて雑草の茎が少し浮かび上がるような感じになり
さっき抜けなかった物も抜けるようになった。
よし、こうなったら最期まで頑張ろうと、
又小さな雑草を一つ一つ摘んで抜いた。
抜きながら、自然に声に出して父に話しかけた。
「お父さん、本当に長い間ありがとうございました。
今、私がこうして日々平穏な生活が出来るのも
全てお父さんのお陰です。
お父さんが子供以上に可愛がってくれた孫達も
みんな大都会で頑張っていますよ。
素直な子達に育ててくれてありがとうございました。
病院での生活は辛かったでしょうね。
よく頑張りましたね。空から私たちが見えますか?
ずぅっとずうっと見守っていて下さいね。
お父さんの期待に添えるような家庭を
これからも築いていきますからね。
じじが健康に過ごせますように守って下さいね。
お母さんも、お父さんの年を追い抜くまで長生きさせて下さいね。
私、もっともっと家族を大事にします。
お父さん、お墓参りを欠かさず綺麗に守っていきますからね。
これからも、お母さん、私や妹や姉の家族を守って下さいね。」
一方的にお父さんへのお願いばかりのお喋りだったけど
声に出して話しているうちに、
何だかすうっと心が軽くなるような気がした。
夕方の人一人いないお墓だったけど
恐いとかいう恐怖心は全然無いのが不思議だった。
小さな雑草もほぼ抜き終わったので立ち上がった。
・・・と、コゲラのドラミングが2カ所から聞こえ始めた。
もう一度木立に目を凝らすと、何とばばの正面の細い枝にコゲラがいた。
そしてもう1羽、そのコゲラと反対側のこれ又細い枝で
ドラミングを始めた。
ばばのためにコゲラ2羽がドラミングをしているような気がした。
(お父さん、次は15日に来ますね)と挨拶しお墓を後にした。
車に戻って、ドアを開けようとした時前方から走ってくるワゴン車がいた。
Kちゃんの車だ!車のナンバーからすぐ分かった。
「お姉さん〜」とKちゃんが呼んだ。
「あらぁ〜〜、又一緒になったね。ありがとう」と答えた。
Kちゃんは子供さんふたりとお孫さんも抱っこして
父のお墓参りに来てくれたのだ。
父の引き合わせとしか思えない事が3回続いた。
1回目はじじ妹夫婦が父の葬儀の後、奄美大島へ帰る日
お墓参りに行ったらKちゃんとバッタリ会った。
次は、ばばがお墓参りに行った時、又バッタリ会った。
そして、今日。
ばばが、午前中とかお墓に来ていたらKちゃんとは会えなかっただろう。
前回もそう思った。
本当は、お墓参りは午前中にしたいのだが
あれや、これや、やることが多くて
たまたま時間をずらして行ったらKちゃんとバッタリ。
今日だって「月命日だから、お墓参りしてきてから他のことをしよう」と
朝来ていたら会えなかっただろう。
まるで、Kちゃんと会うために、時間調整しているような気がしてきた。
「2度あることは3度ある」って言うけれど
本当に3回続いた。
父の引き合わせかなぁ・・・としか思えない不思議な出来事だ。
父はKちゃんを可愛がっていたから、
同じように可愛がってくれたじじ妹と、
ばばと、Kちゃんを引き合わせているのかも知れないね。
お父さん、ありがとう〜〜〜
夕空を見上げると、さっきの鱗雲は更に南の方へ広がっていた。