3輪のヒマワリ

7月30日(月)晴れ時々雨
一昨日の夕方、買い物を終え帰って来て
大工さん達のお茶の後始末。
食器を洗ったりして、自宅へ戻りましょと車庫を通り抜けたところで
近所のおばちゃんと会った。
おばちゃんは「ばばちゃ〜〜ん。夕べはおばちゃん眠れなかったよ。
あなたの心って、どうなっているんだろうねと考えて・・・」と言う。

おばちゃんを眠れなくするほどのことを、ばばはしてしまったのだろうか?
曖昧に笑いながらおばちゃんの顔を見ていると、
「ばばちゃん、誰があんなことしてくれる?」とも言う。
ピンとこないまま、おばちゃんの次の言葉を待っていると・・・・
「昨日は本当にありがとう」って。

ははぁ〜〜。
やっとばばは思い当たった。
実は、前の日の4時過ぎ、車でばばは郵便局へ行った。
その帰り、自宅近くの信号機のある場所へさしかかった時
道路の右側を歩くおばちゃんの姿を見かけた。
暑いので右手で傘をさし、左手に荷物を下げている。
おばちゃんは、少し足が不自由だ。
ばばは、一瞬車を停めておばちゃんを乗せようかと思ったが
すぐ後ろに後続車が。。。
車を停めたら危ないし、迷惑になる。
おばちゃんのことを気にしながらも、一旦家に帰り
車を車庫に入れて鍵を閉めた。
そして、すぐ今通ってきた道を小走りで引き返した。
おばちゃんを、迎えてこようと思ったのだ。
おばちゃんは、まだ先ほどの場所から
ほんの少ししか移動していないように見えた。

ばばが小走りで近づいてくるので、ビックリしたようなおばちゃん。
「ばばちゃん、何処行くの?」
「おばちゃんを迎えに来たの。さっき車でおばちゃんを追い越して
車を停めようと思ったけど、すぐ後ろに車がいたから停められなかったの。
おばちゃん、荷物持たせて。一緒に帰ろう!」
と、ばばが車道側になり、おばちゃんと手を繋いで歩いた。
緩い坂道になるので、おばちゃんがぎゅっと力を入れて
ばばの手を握ってくる。
ほんの4,5分の距離だったけど、
無事、おばちゃんを家まで送り届け自宅へ戻った。

この時のことを、おばちゃんは言っていたのだ。
ばばは、おばちゃんを眠れなくした・・・ということで
少し気になったが、ホッとした。
ばばは、特別なことをしたわけでは決してない。
だって、近所の少し足の不自由なおばちゃんが
暑い中、荷物を持って歩いていたら、誰だって声をかけると思う。
当たり前のことをして、こんなに喜んで貰えるなんて
かえって気恥ずかしくなってしまう。

おばちゃんは、手にヒマワリの花を6輪ほど持っていた。
ばばに2輪渡し、ばば姉にも渡してね〜と更に2輪渡し
残った2輪は、お隣さんへ上げると言う。

このヒマワリは、おばちゃんが自宅近くの空き地を利用し
タネを蒔いて育てて咲かせた花だそうだ。
何日か前も1輪いただいたので、ばばはじじが飲んだビールの空き缶に挿して
キッチンの流しの前に飾っておいた。

花は好きだけど、花瓶とかに飾ることはあまりしないばば。
でも、おばちゃんからいただいたヒマワリが1輪あるだけで
元気が出て、何だかとても爽やかな気持ちになる。

じじが体調不良になってから、特に食事の準備をする度に
ヒマワリの花がばばに元気を与えてくれていたような気がする。
おばちゃんが、ばばに「ありがとう」って言って下さるのでは無く
お礼を言うべきはばばかも知れない。
おばちゃん、ありがとう!

ヒマワリの花3輪は、昼まで流しの前に飾ってあったけど
不安定なせいか、缶毎流しに落ちていたので、
容器を替えて両親の仏壇の横に飾り直した。
花を愛でたり、美しい物を美しいと思えたり
自然の移り変わりに気づいたりできる心の余裕を持たなくちゃね。

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ばば
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