少年と老人
5月1日(火)雨
過日、あるお店に買い物に行った。
レジに行くと、ばばの前には40代くらいの夫婦らしい二人連れと
30代くらいの」男の人、50代くらいの女の人、
そして高校生らしき男の子ふたりが並んでいて、結構混んでいた。
どれでもスムーズに列は進んだ。
(もうすぐ、ばばの番かな・・・・)と思っていた時、
ばばの前に並んでいた男の子が買い忘れでもあったのか
並んでいた列から離れ、小走りで商品棚の方へ行った。
ほどなく男の子は戻ってきて、ばばの後ろに並んだが
男の子は二人連れらしかったので「どうぞ」と
ばばの前に並ぶようにジェスチャーをした。
男の子は「ありがとうございます」とお礼を言い、軽く会釈して
ばばの前(元並んでいた場所)に立った。
そして、いざ会計となった時、男が持ってきた商品には値札がなく
すぐに計算出来なかったので、店員さんが
「しばらくお待ちいただけますか?」と男の子に言い
ばばに向かって「どうぞ。計算しましょう」と声をかけてくれた。
別の店員さんが男の子の持ってきた品物の値段を調べてくる間に
ばばの方が先にレジを済ませた。
レジを離れる時「私が先になっちゃったね」と言うと
男の子はニコッと笑った。
(感じの良い子だな)と思いつつ、ばばは車に戻った。
運転席に座ってエンジンをかけようとした時、
ものっ凄い爆音が響いた。
ばばの車の後ろの方で2台のバイクがエンジンをかけたのだ。
バイクに跨がった男の子を見てビックリ!
さっき、ばばの前に並んでいて、ばばにきちんとお礼を言い、
会釈をしたあの男の子が、前屈みでしがみつくようにバイクに乗り
爆音を響かせている。
おまけにバイクにナンバーは付いていない。
さらに・・・バイクのハンドルがちょっと変わっている。
ババンッ!ババンッ!ブブンッ!ブブンッ!ブブンッ!〜〜〜〜〜
と爆音を響かせながら、あっという間に走り去った。
ばばは、すっごく落胆した。
爽やかな若者と思っていたのに・・・・・
ばばの住む地域では爆音を鳴らしながら走るバイクがある。
以前、ちょっとした事件も起きた。
やっと事件も沈静し、爆音も収まり、
夜も静かに眠れるようになったと喜んだのもつかの間。
最近、また暴走するバイクがある。
何台かは分からない・・・・
過日のあの「一見爽やか青年」も、暴走族の仲間なのだろうか?
爆音とどろかせて暴走する若者達は、自分が楽しければ
それで良いのだろうか????
とても残念に思う。
ふだん、ばばは夕方買い物に行くことが多いが
その時必ずひとりのお爺ちゃんを見かける。
お爺ちゃんは90歳以上。
雨の日も風の日も、黙々と歩いている。
帽子をチョコンと被り、反射板の付いたタスキを斜めに掛け、
ただひとりで歩いている。
杖を持っている時もあれば、何も持っていない時もある。
雨が降りそうな日は、雨傘を持って歩いている。
お爺ちゃんが歩くコースは、結構きつい坂もある。
お爺ちゃんの家は知らないが、「大体あの辺かな?」と予想はつく。
お爺ちゃんは、まず急勾配の坂を上り、
その後、ダラダラと続く緩やかな坂を海の方へ下りる。
何処まで下りるかは分からないが、帰りは逆にダラダラ坂を上り
急勾配の坂を下って・・・・家の近くの民家の前の道で座って一休み
それから帰宅するようだ。
ばばが知人から聞いた話では
このおじいちゃん、ちょっとやそっとの雨や風では散歩を止めないそうだ。
散歩の目的は「健康のため」だって。
・・・毎日、夕方の1時間ちょっとの散歩を止めてしまって2年近くになるばば。
このお爺ちゃんを見る度に思う。
「ばばも、歩き始めなければ・・・」って。
でも、思うだけ。
なかなか実行に移せない。
「だって、○○するのが忙しくて時間が無かったんだもん」
と言い訳をしながら、今日も終わっちゃった。
まぁ、今日は雨が降っていたから・・・って言い訳するばばだけど
あのお爺ちゃんは、今日も傘を持って歩いていたよ。
お爺ちゃんの横を車で通り過ぎる時、ばばは凄い自己嫌悪にかられた。
もう少しは自分にも厳しくしなければね、ばば。