「頭チキィドォ」・他

4月29日(日)曇り後雨
徳之島もいよいよ梅雨入り?
朝から怪しかったけど、お昼過ぎからついに降り出したよ〜。

大型連休中は、徳之島でも海開きや闘牛大会など
いろいろな行事が予定されていると思うが・・・・
天気が懸念されるなぁ・・・・
お昼ご飯を終わった頃、我が家の下の県道を
「ワイド!ワイド・ワイド」と賑やかな声と太鼓の音が通り過ぎていく。
今日の闘牛大会に出場した牛が試合を終えて戻っていくところだろうか?
あまりに賑やかなので、好奇心旺盛なじじ&ばば
一緒に窓際に走ったら、闘牛を乗せたトラックが
今正に我が家の下を通り過ぎるところだった。
牛の名前とかは勿論分からなかったが、
威勢の良い「ワイド!ワイド!」だったよ。
都会の方から見ると「ワイド!ワイド」って
何のことか分からないかもしれないね。
ばばもはっきりは分からないけど・・・
闘牛で勝った方の牛関係者があげる喜びのかけ声?
今では、闘牛だけでなく他の場面でも
「ワイドワイド!」の声を聞くことあるよ。

ばば子供の頃、誰からか聞いたことあるけど
闘牛の後、勝った牛関係者は威勢良くワイド!ワイド!と盛り上がるが
負けた方の牛も「ワイド!ワイド!」と元気なかけ声を掛けてあげないと
牛が元気なくすし、可愛そう?だから
勝っても負けてもかけ声はかけるんだ・・・・と。
闘牛は怖いだけでなるべくなら現場を見たくないばばだから
情報も詳しいことは分からないけどね・・・・

ところで・・・
過日「墓地礼拝所」のこと書くって予告したよね。
ばばが、小・中学生の頃通った通学路の途中に
「クラチンシラ」っていう場所があるの。
「シラ」というのは方言で「坂」の意味。
でも「クラチン」の意味は分からない。
「どんな坂」かを言っているのかもしれないけど・・・
ばばの集落少し下ると「クラチンシラ」っていう坂道があるんだけど
その坂道が二手に分かれている場所がある。
直進すれば小学校へ。
左折すれば中学校への通学路になっていた。
ちょうど分かれ道になっている場所から左手寄りに集落の墓地がある。
だから、この地点に来ると必ず墓地へ向かって「礼をする」んだと
入学前から母や長姉から教えてもらっていた。
口で言うだけで無く、母や長姉とこの坂を上り下りする時は
「礼拝所」では墓地へ向かって手を合わせ一礼をしていた。
そのうち、ばばは心の中でいろいろな願い事などを唱えるようになったけど。

ばばだけでなく、ばばの同級生や上級生、下級生も皆この場所では
「お墓へ向かって一礼」していたよ。
どの家庭でも、親が子に教えていたんだね。
この教えが後に「祖先崇拝の心」へ繋がったのかもしれない。
今でも、実家集落では1日15日にはお墓参りをするんだよ。
ばばも住む地域は変わっても、都合がつく限り姉と一緒にお墓参りに行くのよ。
すると、何故か心が落ち着くの。
不思議だね。

ばばが子供の頃は「墓地礼拝所」なんて、きちんとした立て札なんか無くて
ただ「頭チキィドォ」って言っていた。
なぜか「頭」だけ標準語だけど、「チキィドォ」とは「下げる場所」で
「頭を下げる場所」即ち頭を垂れる「礼拝所」っていう意味だよ。

学校の行き帰り、この礼拝所では必ず頭を下げて礼拝していたばばだけど
中学卒業して島を出ても、帰省してこの場所を通る時は
ずぅっと礼拝していた。
そして、みんなの「頭チキィドォ」にはいつの間にか
「墓地礼拝所」と書かれた立て札?が立てられていた。
この文字はばば達の恩師が書かれたと聞いたことがある。
今、歩いてこの坂を通ることはほとんど無い。
でも、車であっても、やはり通る時は瞬時に
「頭チキィドォ」という言葉が心をよぎり厳かな気持ちになるから不思議だ。

今の小中学生・高校生で「頭チキィドォ」という言葉を
知っている子達がいるだろうか?

ばばの両親が特別信心深かったというわけではなかった思うが
「頭チキィドォ」以外にも例えば・・・
高校・大学時代に帰省した時、戻る時等、必ず仏壇の前に正座して
両手を合わせ礼拝していた。
それは、大人になって結婚してからも、実家へ行く時は必ず続けていた。
今は両親の位牌などもばばの家にあるので
毎朝お水を代え、両親に話しかけながら礼拝する。
本当は、仏壇などには「いろいろ報告」するんだよ・・・って
ある人から言われたけれど、ばばは、ほぼ、お願い事ばかり。
両親にお願いすると、全て守っていてくれるようで・・・・

話は少し逸れてしまったが
「頭チィキドォ」があるのは、校区4集落のうち
ばばの実家集落だけだったのだろうか?
他の集落の先輩や友達から聞いたことがないなぁ・・・・

お転婆で、オッチョコチョイなばばでも、
「頭チキィドォ」で墓地に向かって立ち、両手を合わせると
何故か敬虔で神妙な気持ちになるから不思議だね。
やはり目に見えない、何かがあるのかな?あの場所には・・・・


あの場所を、ずぅっと実家集落の子供達にも伝えていけたらなぁ・・・・・

投稿者プロフィール

ばば
ばば
最新の投稿