空中戦
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7月4日(土)曇り
日記はその日の出来事を書くのが良いと思うが
ばばは最近、先日の出来事を書くことが多くなった。
今日も又、昨日の散歩の時見た光景を題材にしよう。
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ばばは「じじのアシスタント」を自認している。
それで散歩時はいつもじじを喜ばせる写真の題材はないかと
四方八方に目を配りながら歩くようにしている。
先日はしばらく歩いた所で、一見トンボ、しかし羽がない・・
という生き物が木に留まっているのを見つけた。
ばばが子どもの頃、家で使役牛を飼っていたが、
その牛に留まっているのをよく見かけたような気がするが
名前も生態も知らない虫だ。
じじが写真を撮っている間に姉と二人は先へ歩いていると
今度は道端の木にカミキリムシが留まっているのを見つけた。
これまで、何回か蜜柑の害虫「ゴマダラカミキリ」は見ていたが
今回見つけたカミキリムシは濃いベージュ色一色の地味な虫だ。
後から来たじじを急がせて早速写真撮影。
細い木の枝に止まっていて、他の枝が邪魔してなかなか体全体を捉えるのが難しい。
そこで、枝を引っ張って虫を道の落とす作戦に。
作戦は見事成功!
突然、道路の真ん中に落とされた虫はビックリしたのだろう、
羽を広げ飛び立とうとする。
しかし、焦っているのかほんの高さは3センチほどで
5センチほどの距離しか飛べない。
何度も飛翔を試みるが飛び立てない虫。
じじは静止画で、動画で・・と次々撮影する。
・・・と、突然後方からトラックが一台。
道は狭く車一台通るのがやっとで離合は出来ない。
じじは慌てて虫を手でつまみ上げた。ばばもびっくりしたが、
ばば以上に虫がビックリしたらしい。
「キーキー」というような鳴き声を出した。
車が去ってしまうと、又道の真ん中に虫を降ろして撮影開始。
やはり、うまく飛べない虫。
・・・と、またトラックが一台来た。
慌てたじじは又虫をつまみ上げ、
虫はさっきと同じように「キーキー」と鳴いた。
車の運転手さんは、道の真ん中で何かしているじじとばばに
「何してる?」という表情で会釈をして通り過ぎた。
今度こそは・・・と虫を道に降ろすと・・・
あらららら〜〜〜虫が飛び上がった!
さっきまで5センチほどしか飛べなかったのに
羽を大きく広げ頼りなげにはためかせながら、少しずつ高度を上げていった。
下から見ていると、まるでカブトムシやクワガタが飛んでいるようだ。
虫の予想外の行動にじじとばばは呆気にとられ
じじもビデオを回すのさえ忘れてしまって見とれていた。
徐々に、徐々に高度を上げ、
いつの間にか高い松の木のてっぺんあたりまで飛んでしまった。
すると、突然、虫の近くで「ピィー」と鋭い声がしたかと思うと
1羽のヒヨドリが虫をめがけて飛びかかった。
必死に逃げる虫。追いかけるヒヨドリ。
「掴まらないで〜〜」ばばは内心祈りながら上を見上げていた。
虫と鳥が生死をかけて飛んでいる。
あの頼りなげな飛び方しかできない虫のほんの数センチ後から
ヒヨドリが迫っていく。
万事休す!と思った瞬間、ヒヨドリが急に向きを変え松林の方へ戻っていった。
一瞬の出来事で、ばばはヒヨドリが虫を捕らえ銜えたと思ったが
何も銜えている様子はない。
「じじ〜動画が撮れたら良かったのにね。でも、あの虫
ヒヨドリに掴まった?」と聞くと、「イヤ、鳥が諦めて引き返し
虫は逃げたよ」と言う。
鳥に気を取られていて、虫を見届けなかったのが残念だが
無事逃げおおせたようでホッとした。
せっかくの写真の題材逃がしてしまって残念だったが
歩きながらじじが「鳥はね、いったん近づいて美味しい餌かどうか
見極めたと思うよ。この虫は体が硬そうで美味しくなさそうと判断したんだろね。
だから、引き返したんだと思うよ」と解説した、
ふぅ〜〜ん、そういうものか?
ヒヨドリってグルメなの?・・って言うより、あの時は
あまりお腹がすいていなかったんだろう。
お腹が空いてたまらない状態だったら、少しぐらい固くたって
きっと、あの虫を捕まえただろう。。。。
良かったね、カミキリ君。
自然の中で日々繰り広げられる生存競争を垣間見た気がした。