閉所恐怖症
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4月23日(木)曇り
ばばが毎夕通っている病院には二つのエレベーターがある。
一つは一般の患者や見舞客用でもう一つは業務用である。
業務用の方はベッドごと患者さんを乗せることも出来、大きい。
そして、地下から乗り降り下りすることも出来る。
ばばは、エレベーターに乗る時はいつもドキドキする。
(もし、途中で止まったり、ドアが開かなくなったらどうしよう)・・と。
数年前から都会でのエレベーター事故を聞くにつけ
ばばの恐怖心は、いっそう増した。
鳴るべく階段を利用しようと思いながら、
しぜんと足がエレベーターの方へ向く不思議!
乗った後には必ずドッキンドッキン。
ほんの十数秒の時間なのに、落ち着かない。
時には恐怖で押しつぶされそうになる。
何故、こんなにも怖いのだろう?
これには、理由がある。
もう、大分前のことだが、ばばの今は亡き長姉が、この病院に入院した。
その見舞いに行った帰り、
大きい方のエレベーターに乗ってしまった、ばばのすぐ上の姉とばば。
地下に車を停めてあったので、大きいエレベーターに乗り込んだのだが・・・・・・・
階が下がるに連れ、乗っていた人は次々と下りて残ったのは姉とばばだけ。
そして地階についたが、どういう訳かドアが開かない。
パニックになったばばと姉は、あちこちボタンを押したり、ドアを叩いたり
「すみませ〜〜ん。開けて下さ〜〜い。中に人がいま〜〜す。」と
大声で叫んだり。
しか〜〜〜し、エレベーターは「ウン」とも「スン」とも言わない。
いくらベッドごと患者さんを乗せると言えど狭いエレベーターの中。
恐怖心に飲み込まれてしまったばばは、すっかり平常心を失ってしまった。
(あ〜長い時間ドアが開かなかったらどうしよう。酸素が少なくなったらどうしよう)
色々な最悪事態が頭の中をよぎった。
家族の顔も次々浮かんだ。
両親。じじ、娘たち・・・・・・・・
自分の日頃の行動を次々と反省した。
どのくらいの時間が経ったか分からないが
万策尽き果てて、姉と二人は、しばし無言。
その後、しゃがみ込んで時間を過ごそうとした・・・・その時
フワッと体が浮くような感じと共に、
何と、エレベーターが上へ動き始めたのだ。
その後のことは覚えていない。
とにかく、一階に着くやいなや、ドアもスーッと平常通り開いた。
姉とばばは転がり出すように外へ出た。
やっと外界へ出られた〜あの時のうれしさは忘れられない。
怖い体験などすると、それが意識の底に残り「前意識」となり
後日、同じような状況に置かれると数倍の恐怖となって蘇るということを
学生時代「心理学」の授業で聞いた記憶がある。
なるほどね・・・・・
このエレベータ事件以前に確かに似たような体験をばばはしている。
そして、その時の体験も今持って忘れられないが、
そのことは又次に書き記そう。