寂しく悲しい
10月2日(木)曇り時々晴れ間
今朝も起きるときじじに「今日は天気良さそう?」と聞いたら「雨は降りそうに無いね」って。
よしっ!今日もやりたい事、ひとつでもかたづけるぞ!と気合いを入れて起きた。
※画像は記事とは無関係で、きれいに開花していたので、昼過ぎに撮った物です。
食事の準備が終わったと思ったら、急に電話が鳴った。
こんな早くから電話が来るなんて・・・と、心臓がドキドキバクバク。
電話をくれたのは、親友のSちゃん。
「朝からごめんね・・・」と小さな声、ますます不安になって、待っていると
「実は・・・父が亡くなったの・・・」って。
えぇ~~っと、思わず大きな声が出た。
ばばの大好きなK兄さんが、今朝お亡くなりになったって。
食事もそこそこに、姉にも連絡しK兄さんと面会に。
K兄さんは穏やかな顔でベッドに横たわっていた。
額やほっぺを触ると、まだ温かくて寝ているようにしか見えなかったし、思えなかった。
数日前までは、普通にお元気だったそうだ。
K兄さんには、小さい頃からとても可愛がってもらったし、
70年以上経っても忘れられない面白いエピソードある。
その1つが、ばばが、まだ4,5歳だった頃のこと。
ばばの家の畑には製糖工場があって、キビの刈り取り期になると
親戚やご近所さんなどみんなで協力して、キビを刈り取り、絞り、鍋で炊いて、
大きくて深みのある鉄板でかき混ぜ、冷まし、その後、袋詰めにしたり?
サイコロ状に切ったりして黒糖を作っていた。
大きな鉄板の中でかき混ぜるとき、黒糖が水飴状になって、
その水飴状の黒糖は「ガンザタ」と言われていて、ばばは大好きだった。
まだ幼かったばばは、ガンザタをかき混ぜる大人を、いつも見ていたのだが
「ばば子は、ガンザタが食べたいんだな」とK兄さんが気づいてくれたらしかった。
そして、ある日、ばばに、こう言った。
「ばば子、ガンザタはね、ガン(方言で川ガニ)を入れないと出来ないんだよ」って。
K兄さんの言葉を聞くやいなや、幼かったばばは、即、川に向かって走り出した。
その川は「ブーチゴ-(川)」と言われていたが、両側から木々が茂り昼間でも薄暗く、デコボコの急な坂道を下りていく所にあった。
その川は、急に深くなっていて、危険な川だったらしく、ばばはひとりで行ったことも無かった。
それなのに・・・素手でカニを捕まえてこなくちゃ!と単純に考え、一目散に走り出した、ばば。
まさか、ばばがひとりで山の中の川に行くなんて、想像だにしなかったであろうK兄さん。
慌てて追いかけてきて「ばば子、冗談、冗談」と引き止め、製糖場へ連れ戻してくれた。
その後「ガンザタ」を食べさせてくれたか、どうかは記憶に無いけれど・・・・
きっと、食べさせてくれただろうな・・・優しいK兄さんのことだから。
K兄さんと会うと、必ず、このエピソードを思い出すので
何年か前、K兄さんのお宅にお邪魔したとき話してみた。
K兄さんは笑って、ばばの話を聞いていたけれど、このエピソードを憶えてはいないようだった。
ばばの中では、一生忘れられない、K兄さんとの思い出だ。
小さい頃から、ずっと可愛がってもらい、お世話になったK兄さんに、もう会えないかと思うと
本当に寂しく悲しい。
静かにご冥福をお祈りしたいと思います。
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