お祭りなのに涙があふれる・・・・

8月28日(月)晴れ
昨日は徳之島3町で、最後の夏祭りの「どんどん祭り」があり
夕方は千人近くの住民の方々によるパレード、夜は芸能大会や花火大会もあった。

いったん8月5日に計画されていたのが、台風接近で延期になり昨日開催された。
夕方5時10分頃からパレードが始まるというので、4時40分には家を出た。
御輿連・踊り連のパレードが5時30分からで、その10分ほど前には
闘牛パレードがあるというので、それを見逃してはならじと早々に家を出た。

闘牛で有名な「徳之島」。
実は、この闘牛パレードは「徳之島らしさを演出しよう」と
ある方々が提案され、実現したらしい。
昨年は、この闘牛パレードの終わり頃、パレード会場に着き
闘牛の後ろ姿しか見えなかった。

この闘牛パレードを実現させた方の、お一人・・・・
それは若手町議として、徳之島を背負って立つと、沢山の方に期待されていたTさん。
まだ43歳の若い町議会議員で、我が家の娘の同級生でもあった。
しかし、そのTさんが、この8月15日お亡くなりになったという報が突然もたらされた。
ヘナヘナっと座り込みたくなるほどの衝撃であった。
多くの同級生、恩師、友人知人にとって、いかほど衝撃が大きかったことか!
早すぎる!
文房具店&書店を経営されていたTさんのご両親や、お祖父ちゃんにも
現職時代、だいぶお世話になった、ばば。
それにT君が娘と同級生ということで、他人事とは思えない訃報であった。
お通夜に参加したが、ご両親やご家族の方々を目前にし、言葉も無いばばだった。
お通夜や告別式には、沢山の方々が参列されていて
Tさんの早過ぎるご逝去を惜しみ、涙を流していた。

だから、今年も「どんどん祭り」で闘牛パレードがあると聞いた時から
ずっとTさんのことを思い、胸締め付けられる思いで迎えた昨日だった。

5時から、パレードの開会式が始まり、沿道の人々の数もどんどん増えてきた。
じじとばば、離れた場所でスタンバイ。
じじは動画を撮りながら、時々バズーカ砲カメラで撮影、
ばばも、じじの重いカメラを渡されてドキドキしながらパレードの開始を待っていた。
「ズームを使い分けて、色々な場面を撮りなさい」と事前指示を受けていたからね。
自分用のデジカメでも、数枚は撮りたいの、大きいカメラは肩から下げた。

いよいよパレードが始まった!
最初は闘牛パレードだ。
まず先頭の闘牛が出発した。
飼い主かは分からないけれど、若い青年に手綱を引かれゆっくり歩いてくる。
白っぽいと言うか、灰色っぽい毛並みの中型牛だ。
牛の後ろに数名の若者が付き、太鼓を打ち鳴らしながら歩いてくる。
写真を撮る、撮る、撮る。

2頭目がスタートした。
最初の牛より小さい小型牛だ。
道路を、時折右へ左へ寄りながら歩いていた。

3頭目、一段と華やかな黄色い法被を着た若者達のと一緒に堂々と歩いてくる姿は別格だ。
Tさんが元気なら、先頭に立って歩いていたかも知れない・・・と思うと
思わず「可愛そうに・・・」と声が漏れ、涙があふれた。
シャッターを押しながらも、胸が一杯で、残念で残念でならなかった。
牛の背には、去年の闘牛大会で優勝した時の旗がかけられていて


しっかり読めなかったけど、ばばの隣に座っていた青年が「戦勝号と書かれていますよ」と教えてくれた。
牛が目の前を通る時も、通り過ぎた後も、何だか悲しくて、涙があふれた。

闘牛3頭のパレードの後は、約千人近い町民の方々が地区ごとに工夫を凝らした出で立ちや
踊りで目の前を通り過ぎた。

エイサーを演じながら通る団体、サトウキビの島らしく、葉っぱの付いたサトウキビを持って
踊りながら通る一団、お菓子や風船、ティッシュや、氷菓子、お餅などを撒きながら通る団体・・・
一段と賑やかな御輿とパフォーマンスで周囲から大歓声が上がった、ばばの実家地区の御輿連。
延々とパレードは続き、気がつけば1時間以上が経っていた。
その間、ずっと、じじの重いカメラでシャッターを押し続けたばばの右手は
5本の指が硬直し、自由に曲げ伸ばしできない状態になっていた。

帰路についた時、姉が言った。
「Tさんの牛が通った時、車に乗っていた人が胸の前に写真を抱いていたよね」と。
ばばは、つい12日前に亡くなったTさんの事を思いながら、夢中で写真を撮っていたが
細かいことには気づかなかった。
もしかしたら?Tさんの遺影を抱いて同級生や仲間が参加したのかな・・・・

昨夜から今朝にかけて、じじが画像を取り出したり
ビデオを再生していたので「T君牛の写真とビデオはばばにも見せてね」と頼んだ。
そしたら、今朝、じじが「やっぱりT君の写真持って牛の後ろを歩いている」と・・・・・
ばばも、じじの横に行って写真を見ると確かに・・・
そして、何とも言えない悲しさに襲われたのは・・・
歩いている青年も車に乗っている青年達の顔もみんな泣いているように見えた。
去年は、元気で祭りに参加したT君が、今年も参加すべきだったT君がいない・・・
そんな思いで、悲しみをこらえ、涙をこらえていたのではないだろうか?

Tさんは、心なくも志半ばにして、先に逝ってしまったけれど
その意思は、きっと仲間達が引き継いでくれるはず・・・と強く思った。

お祭りなのに・・・涙が・・・・
そんな今年の「どんどん祭り」でした。

あらためて、今は亡きT君のご冥福をお祈りした昨日でもありました。

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