「神頼み」他

2月26日(日)小雨
去る19日、「島唄・島口大会」があったことは
過日のブログで書いた。
その後、島口について話すことが増えたじじとばば。
普段でも、いつの間にか島口で話していることは良くあるけれど
今回の発表で、イギリスから来日されているALTのD先生が
島の人顔負けの発表をされ、歌まで島口で歌ったのに
感化されたじじとばば。
早速、D先生が歌われたBEGINの「島人ぬ宝」を島口に訳してみた。

僕が生まれた(わんが まーりぃたん)この島の空を(くん島ぬ てぃんとを)
僕はどれくらい(わぁや  いきさんべぇ) 知ってるんだろう(しっちゅんがや)
輝く星も 流れる雲も(しきゃゆん ふしんば ながりゆん雲んば)
名前を聞かれてもわからない(なぁ ききゃてぃんば 分からんど〜)
・・・訳しながら、歌ってみたら字余りとかがあって
難しくて、とても最後までは歌えない。
それでも、何故か島口の歌詞がグルグル頭を巡り、
家事をしている間中、ばばは歌い、じじも座ったままで歌う。
だけど、じじの言葉とばばの言葉が微妙に違い
途中で大笑いしては、又最初から歌い直し・・・

難しいね、島口って。
こんな難しい島口で、全国的にも有名な曲を
表情豊かに歌い上げたD先生って、やっぱり凄いね。
島ぬ人のじじとばば、もっと日常生活でも島口話さないとね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
じじとばばは、食事中、色々な他愛も無い話をする。

今朝は、ばばが朝寝をしたので、いつもより遅い朝食。
外は小雨が降っているけど、静かで、誰からも束縛されず
ゆったりと食事をしている。
「こんな生活が出来るのも、お互い親のおかげだよねぇ」と
言いつつ・・・・

じじは、「僕は親父の言う通りに、これまで歩んで来た」とよく言う。
ばばは「私は、母に洗脳されて今の人生がある」と言う。

じじは、大学卒業後、都会で仕事をしていたのに
父が「島に戻って来て○○をしたら」という一言で島に戻り
親の言う職に就いて40年近く・・・
ばばは小学校低学年の頃から、母が「○○という仕事は良いよ。
周囲からは尊敬されるし云々・・」と言うのを聞いていたので
「○○になるしか無い!」と決めていて、
卒業後は母の希望通りの道を歩むことになった。
無口な父は、何も言わなかったけれど喜んでくれているのはよく分かった。

そんなじじとばばが結婚。
以来、50年近く、途中数年は島外に出たものの
ずっと両親の近くで生活し、双方の親を見送り
そして今、2人の生活がある。

もし、2人が両親の勧める職業を選択しなければ、
出会いもしなかっただろうし、今の生活は無かった。

やはり、親には感謝しなければいけないなぁと思う。

と言いつつ、ばばは困った時には今でも「親頼み」「神頼み」する。
子供の頃から、ずっとお墓参りに行っていたし
旅行に行く時とか、進学で家を離れた時、帰って来た時
じじと結婚して毎週末、家族でばばの実家へ遊びに行っていた時
実家の玄関を入ると、まず仏壇に向かい、礼をしていた。
両手を合わせて「家族が健康でありますようにお守り下さい」と頭を下げていた。
お墓へ行っても同じようにお願いをする。
じじは「人間、死んでしまったら終わりだよ」と言いつつも
ばばが「今日は誰々の月命日よ」等と言うと仏壇の前に行き黙礼している。

じじとばばの両親が亡くなった今も、両親に甘えているばば。

数日前、じじはネットで確定申告をした。
その時、ちょっとした勘違いで最後の段階で入力失敗して
送信が出来なくなった。
数回失敗すると、国税局でじじの確定申告を受け付ける部分に
ロックがかかってしまうらしく、送信が出来なくなってしまった。
そこで国税局に電話したりして、色々アドバイスをもらい
結局は役場へ行って何か手続きをしなければならなくなった。
じじは、役場へ出かけた。
戻って来て作業をしていたが、もう一度役場へ行かなければならないことに・・・
帰って来て「今度こそ!」と思っていたけど、又出来ず・・・
3度目の役場行き。
戻って来て、作業を始め、最後の送信にかかる時
ばばは、思わず「お父さん、お母さんにお願いするしか無い!」と
仏壇の前に行き「今度こそ絶対出来ますように・・・」と手を合わせお願いをした。
ばばが手を合わせて数秒後くらいに「やったぁ!出来たよ!成功!」
と言うじじの嬉しそうな声が2階から聞こえた。

良かったぁ〜〜
「やっぱり、お父さん、お母さんにお願いしたから出来たんだよ」と
ばばは断言した。

勿論、じじがきちんと入力下から成功したことは分かりきっているけれど
お祈り、お願いしたことでばばの気持は安らかになっていた。
いくら神頼みしたって、亡き両親にお願いしたって、
ダメなことはダメって分かっていても、
お願いして、成功すると「お父さん、お母さん、ありがとう!」
という気持ちが強くなる。
幾つになっても「甘えん坊ばば」を、両親は笑いながら
天国から見てくれていたのかなと思う。

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