義を見てなさざるは・・・・・

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6月22日(火)曇

病院へ行き、買い物をして歩いていると

「ガツ〜〜ン、ガツ〜〜ン」と言う音が聞こえてきた。

「何の音?」と思いながら歩いていると、あるアパートの前に出た。

音はそのアパートの前の道路から聞こえた。

音のする方を見ると、下校途中の中学生二人が

工事用の立て看板を、タオルか何か巻いた手で殴っているのだ。

ボクシングのパンチの練習のように・・・

看板はトタン製で板に貼り付けられているが

中学生二人は、そのトタンの部分に全ての鬱憤を叩き付けるように

何度も何度もパンチをしている。

時刻は7時過ぎ。

日が長くなり、まだ薄明るい住宅街にうるさいほど、その音は響き渡る。

ばばだって音の正体を見極めるまでは

「こんな遅くまで工事をしているの?」と思ったほどだった。

ばばは、二人の中学生の姿がハッキリ見える地点に来た時

立ち止まり、黙って二人を見続けた。

きっと睨んでいたのかも知れない。

中学生二人は体格もそんなに大きくはなく、ごくごく普通の子に見えた。

ばばは「やめて!そんなこと!」と念を送るつもりで、

じぃっと二人の方に向いて立ちつくしていた。

男の子達は、誰かに見られていると気付けば、きっとやめてくれるだろうと思ったが

ばばの考えは甘かった。

ますます激しくパンチを繰り出し続けるのだ。

そして、立ちつくすばばに「何だよ〜おばさん!」とでも言いたげに

ずぅっとパンチを繰り返した。

そのうちに、固いトタンがくぼみ始めた。

ばばは歩き始めた、後ろを振り返りながら・・・・・

中学生二人もパンチの合間にばばを睨みながら何か口汚く叫んでいる。

一瞬、ばばの方へ走って来て、ばばに危害を加えるのではないかとさえ思われた。

道路脇の家の方が「中学生って怖いことやるもんですねぇ」と言いながら

花園に水をかけていた。

このおばさんも、中学生の行動が気になりながら口に出して注意は出来ないのだ。

ずるいばばは、誰か若い男の方が通りかかって、

あの中学生二人を叱るか注意をしてくれないかなあと思っていた。。。。。。

しかし、ばばの視界に中学生がいる間、注意をしてくれる大人は一人も通らなかった。

車で通る人はいても窓を閉めているし、うるさい音は聞こえないだろう。

ましてや、わざわざ車を停めて注意をしてくれる人は・・・・

夕方7時過ぎに下校と言うことは、この中学生二人は

何か部活でもしていたのだろうか?

学校で気に入らないことでもあったのだろうか?

先生に叱られたのか?

友達同士いざこざでもあったのか?

トタンを叩きたくなったのは、単なる鬱憤晴らし?

それとも力試し?

八つ当たり?

色々考え歩きながら、ばばは自己嫌悪。

悪いことをしているのを見つけたのに注意出来なかった。。。。。。

うまく、注意をする方法はあったはずなのに・・・・

何て言えば、良かったんだろう???

今夕のばばは、正に「義を見てなさざるは勇無きなり」だった・・・・・悔しい・・

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